そのような機能をもっと低コストに、簡便な機構で実現できないか。その要望に対するシェフラーからの回答が本製品だ。ストラット、あるいはマルチリンクでも構わないが、スプリングシートの位置をボールねじで可変化し、車高を調整する仕組みだ。無段階で高さを変えられる。モータの出力は最大20kN。車高を調整し終えたあとはロック機構でその高さに固定する。
構造上、もっとアクティブに、たとえばコーナリング時の車両姿勢を立て直すような使い方もできるのではと訊いたところ、そのような使途は基本的に考えていないという答えだった。確かにそういう使い方も出来はするが、万一の失陥時のフェイルセーフを構築する必要があり、そうするとシステムが重畳化してコストが嵩み、結果「アフォーダブルに車高調整機構を」という本来の目的が失われてしまうからというのがその理由。確かに、アクティブなロール制御ならば電子制御スタビライザという手段がすでにあるわけで、本機構にその機能を負わせる必要はない。
Cセグメントを想定しているというだけに、コンパクトに車高調整が可能になるこのシステムの登場を楽しみに待ちたい。