従来品はPP(ポリプロピレン)製。フィラーの類は使っていなくて、樹脂のみの構造。対して開発品は繊維でできているという。繊維をフィラーとして何かしらのバインダを混ぜる、いわゆるGFRPのような構造なのかと思ったら、そうではないと担当者はおっしゃる。「繊維を熱成形しているんです」というので、どうやっているんですか、どんな繊維なんですか、と訊いたが「参考出品なので」ということで教えてはもらえなかった。残念。
熱成形しているということで、耐熱性には問題がなさそう。軽さについては先述のとおり。剛性の確保については、繊維部分のつぶし方でチューニングできるのに加え、繊維だけに形状の工夫を凝らすことも可能だ。さらにもうひとつ通気効果というのも挙げられ、空気を流したときに繊維自身が振動して、音のエネルギーを熱に変換し消音するという。
形状が違うからフェアじゃないというのは、従来品には備わるレゾネータが開発品では不要になったから。ここでも加えて、軽量化に寄与していたわけである。