ニッパツが「アルミはさみスポット溶接」なる接合方法を用いて部品の提案をしている。聞き慣れないこの接合方法とはどんなものなのか。

 何やら無骨な開発品らしきものがケースに収められている。リヤバルクヘッドらしい。説明を眺めると、アルミの板材(t=0.6)と鋼管を接合し、強度と軽量化を両立させたという。




 摩擦撹拌接合を用いているのかなと思ったら「アルミはさみスポット溶接」と記載されている。スポット溶接。一体どのような接合方法なのかを担当エンジニア氏にうかがってみた。



ボタン側のスポット痕。アルミ材を挟み込んで接合する。

 すると、ボタンのような鋼材を接合部に用意、鋼材とこのボタン鋼材でアルミ材をはさみながらスポット溶接で接合するという。アルミ材にはあらかじめ穴が開けてあり、鋼材同士がくっついているから異種接合の難しさはない。アルミ〜鋼間の腐蝕については、アルミ側にカチオン塗装を施すことで回避している。




 ──と納得しそうになったときにはたと気がついた。ボタンと反対側は管ではないか。ナゲットが直接接合部を挟み込めないはず。どうやっているんですか──と問うたら、管の向こう側からナゲットを当てているという。そんなんでくっつくんですか!? くっつくそうだ。




コストに生産設備と課題はあるが、従来比で30%もの軽量化は魅力の一言。ぜひ、市販化したアルミはさみスポット溶接の威力を試してみたい。

鋼管側のスポット痕。抵抗溶接だからくっつくという理屈はわかるんだけど……なんだか狐につままれた気分だ。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 アルミ板と鋼管材を接合してリヤバルクヘッドに [人とくるまのテクノロジー展2018横浜]