主剤と硬化剤がコンパクトな注射器型のパッケージに同封されており、別売の「ミックスノズル」を先端に、プランジャーを後端に装着し押し込むと、自動的に主剤と硬化剤が撹拌されたうえでゲル状の接着剤が押し出される。
そのため線・面での接着のみならず点付けでも使用でき、しかも鋼板やアルミニウムはもちろん、プラスチックやゴムにも幅広く使用可能で、異なる素材の接着にも対応する。
研究施設での実演では、「ロックタイトHY4070」で接着した軟鋼とABS樹脂、ゴムを人の手ではがす実験が行われたが、軟鋼こそやっとの思いではがれたものの、ABS樹脂とゴムでは接着面がはがれることなく、そのすぐ側で材料破壊が起きてちぎれてしまった。
さらに、研究施設内のせん断強度測定機器を用い、従来品の「E-05CL」と「ロックタイトHY4070」、それぞれで接着し1時間が経過した軟鋼の試験片でせん断強度を測定。前者は1400ニュートン前後ではがれたのに対し、後者は1万ニュートンを大きく上回る力にも耐え、その接着強度の立ち上がりが極めて早いことを示していた。
会場にはそのほか、パイプが折れたラジエーターや、ヒビが入ったウィンドウウォッシャータンクを「ロックタイトHY4070」で補修した実物を展示。同社説明員によれば、「HY4070は耐熱・耐水・耐衝撃・耐薬品性能がいずれも高く、熱可塑性樹脂を用いたエンジンルーム内にある補機類の補修に適している」とのこと。
なお、構造用接着剤を新車製造時に使用した部位のボディ修理については「そちらはテロソンブランドから専用のものを発売しており、新型ホンダN-BOXのボディ修理書には対応品の一つとして記載されている」という。