同社は、2018年1〜3月の3カ月間、高温下におけるバッテリーの状態などをテストした。デジタルテストを35%、実走テストを65%の割合で行っているという。
ノイズの少ないEVの場合、タイヤの転がりノイズや風切り音の低減が重要視され、空力、乗り心地、NVH(ノイズ、バイブレーション、ハーシュネス)を中心に入念なテストを行っている。
4年間の開発期間で100人を越えるエキスパートスタッフがテストした試作車はすでに200台を数え、とくに冬と夏のEVにとって過酷な時期を重視したテストが行われてきた。
テスト車のスペックは明らかになっていないが、ふたつの高性能電気モーターを搭載し、最高出力は400psを越えることは間違いないだろう。
これまでの公道テストは、ドイツ、フィンランド、スウェーデン、スペイン、イタリア、ドバイ、南アフリカ、アメリカ、中国など広範囲に及ぶ。
そして間もなく、スペインの熱帯気候の下でストレスプログラムをこなす予定だ。眩しい太陽が降り注ぐなか、エアコンの効き具合や充電パフォーマンスなど、従来のエンジン車とはまったく異なるEVにとって困難な条件となる灼熱の炎天下で、テストメニューを消化していく。
EQCは、メルセデス・ベンツ初の完全電動モデルであるため、ハイパフォーマンスを発揮する高性能電気モーターやリチウムイオンバッテリーは、公道での実走データを入念に収集して解析・開発を進め、2019年の発売へ向けて着々と熟成が進められていくことになる。