REPORT/大谷達也(Tatsuya OTANI)
好感触のV8ツインターボエンジン!
【短評動画】ベントレー ベンテイガV8 ☓ 大谷達也 V8だからといって、みくびってもらっては困る。
なにしろベンテイガV8に搭載されるV型8気筒 4.0リッター・ターボ・エンジンの最高出力は550ps/6000rpm、最大トルクは770Nm/1960〜4500rpmで、先ごろ旧型となったコンチネンタルGTのV8モデル(507ps/660Nm)をしのぎ、W型12気筒モデル(590ps/720Nm)と肩を並べるレベルなのだ。
なぜ、ベンテイガV8のエンジンはこれほどのハイパフォーマンスを手に入れることができたのか? そのプレスキットには“まったくの新設計”であることと、“ツインスクロール・ターボチャージャーを用いたホットインサイド式(吸気系をVバンクの内側にレイアウトしてレスポンスの向上を図ったV型ターボ・エンジンのこと)”としか記述はないが、もう少し深掘りしてみると興味深い事実が浮かび上がってきた。
快適性の向上と高いスタビリティ。
足まわりの印象も興味深いものだった。前述のゲストは、V8のサスペンションについて「W12との50kgの重量差を補正するためにサスペンションの設定を変更したが、味付けの方向性はまったく変わらない」と語っていたが、なるほどベンテイガV8はアウトバーンの速度無制限区間で試した200km/hオーバーの超高速域であろうと、チロル地方の山間部を縫うように続くワインディングロードを流していても、しっかりとした足まわりでボディが支えられている印象が強く、いずれの状況でも不安を覚えなかった。
また、今回試乗したV8モデルは、これまで私が試したことのあるW12モデルよりもハーシュネスの処理が巧みで、快適性が大きく向上しているように感じられた。だからといってハンドリングがあいまいになったり、タイヤのダンピングが悪化して不快な振動が残ることもなく、きわめて快適。ちなみに、試乗車に装着されていたのは21インチのウィンタータイヤ。これに対して、私がこれまで試乗したW12モデルはいずれも22インチのサマータイヤを履いていたので、強いゴツゴツ感が苦手な向きは21インチをチョイスしたほうがいいだろう。
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【SPECIFICATIONS】
ベントレー ベンテイガ V8
■ボディサイズ:全長5140×全幅1998×全高1742㎜ ホイールベース:2995㎜ ■車両重量:2395㎏(5席仕様) ■エンジン:V型8気筒DOHCツインターボ 総排気量:3996cc 最高出力:404kW(550ps)/6000rpm 最大トルク:770Nm/1960〜4500rpm ■トランスミッション:8速AT ■駆動方式:AWD ■サスペンション形式:前ダブルウイッシュボーン 後マルチリンク ■ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク ■パフォーマンス 最高速度:290km/h 0→100㎞/h加速:4.5秒 車両本体価格:1994万6000円(税込)