ヤマハ発動機は、優れた薬剤散布性能に貢献する“二重反転ローター”を採用し、軽量カーボン製ボディにより、1回のフライトで1ヘクタールの連続散布と、同社産業用無人ヘリコプター(無人ヘリ)に匹敵する散布品質を実現する産業用マルチローター(ドローン)「YMR-08」を6月から限定販売する。当製品の販売開始により同社特約店等を通じて、水田等の圃場におけるヤマハドローンでの農薬散布作業が行われる予定。なお、当製品の本格販売は今秋を予定している。

ヤマハ発動機は無人ヘリによる薬剤散布事業において30年余の実績がある。現在では無人ヘリによる薬剤散布事業は年間延べ面積100万ヘクタールを超え、国内水稲作付面積の40%以上をカバーしている。一方で無人ヘリでは対応しにくい狭小圃場では手作業のほか、近年ドローンによる薬剤散布も拡大しつつある。




今回の「YMR-08」は、1フライトあたり1ヘクタールの連続散布を15分で完了することをコンセプトに開発(平地での連続散布を想定、圃場条件により異なる)。散布品質はもとより、操作性や作業性、そして安全性を実現するためバッテリーおよびモーターも専用開発し、農業の現場のプロユースにも耐える性能を実現している。




発売日は2018年6月、メーカー希望小売価格は2,754,000円(税込、機体送信機、バッテリー2パック、充電機、充電ケーブルを含む)。



対向するローターが反転する一般の6枚ローター(左)と「YMR-08」(右)の比較 「YMR-08」は左右2軸のローターを上下2重反転させ、小型軽量ながら力強いダウンウォッシュを生み出し、ローターの回転方向を前後対称にすることで、前後進時どちらでも同じ位置(ノズル付近)のダウンウォッシュを強くした。

主な特徴


1) 上下二重反転ローターと散布ノズル最適配置による当社無人ヘリに匹敵する散布品質の実現


2) 安全性と作業性に配慮したバッテリーと新開発の軽量・高出力モーター


3) 衝撃吸収樹脂を前縁に採用し、衝撃の低減と破損時の飛散を防止するカーボン製ハイブリッドローター


4) 軽量で剛性バランスに優れたモノコックシェル構造カーボン製ボディ


5) 生命感が漂う2眼フェイスと電装系の冷却性を考慮したダブルエアーインテークデザイン


6) 着陸時の衝撃を緩和する樹脂製スキッド


7) ターンアシスト機能搭載による操縦簡素化と散布精度の向上

主要諸元

情報提供元: MotorFan
記事名:「 ヤマハ発動機:産業用ドローン「YMR-08」の限定販売開始