この雪下ろしを非人力化する方法として、これまで融雪ヒーターや化石燃料による不凍液循環融雪システムを導入している家庭・自治体が多数あるが、二酸化炭素の排出といった環境負荷や化石燃料の変動による融雪費用の負担が増大し、毎年春になると跡形もなく消える雪に多額の費用と労力を掛けているのが現実であり、経済的損失も多大だ。このような状況に対し、降雪地に単結晶太陽光発電パネルメーカーが融雪機能を付加することにより販路を広げようと取り組んでいるが、東西南北の屋根全体の融雪が考慮されず、いずれも即効性に乏しく落雪の危険性を伴っている状況となっている。
そもそも、雪国では積雪により太陽光発電には不向きというのがこれまでの常識だった。これを解消するため、雪の降る地域に貢献できる単結晶太陽光発電パネル及びアモルファス太陽光発電パネル※1の地産地消型融雪装置として国立研究開発法人・産業技術総合研究所 (シーズ支援) に公募し採択され、また、福島県産総研連携再生エネルギー補助事業にも採択された。その成果は、第61回 福島県発明展 福島県知事賞を受賞し、いよいよ本年発売開始となった。
アモルファス太陽光発電パネルは、すでに終わったと公言する学者もいるが、単結晶太陽光発電パネルとアモルファス太陽光発電パネルの発電能力を比較するとまるで正反対の性質を持っており、単結晶は外気温度が低温でアモルファスは高温で発電能力が発揮され、また単結晶は南向きアモルファスは北向きでも明るさがあれば発電能力は十分に発揮される。この性質をお互いに活かすことにより多くの効率を生むことができるのが融雪太陽光発電システムの特徴だ。
融雪機能付き太陽光発電システム施工費については、1㎡当たり6万円~8万円 (屋根形状により異なり事前に要相談) になるが、年間の太陽光発電量により施工費用も還元される。