ヤマハクリーンウォーターシステムは「緩速ろ過」という自然界の水浄化機能をベースにしたシンプルな構造が特徴。大きな電力や専門の技術者によるメンテナンスが不要で、住民による自主運営が可能な浄水システムだ。ヤマハ発動機では、外務省や経済産業省、JICA(国際協力機構)、JETRO(日本貿易振興機構)などの公的機関、UNDP(国連開発計画)など国際機関との連携・協力によって、この小型浄水装置の導入を進めている。この活動は、SDGs※(持続可能な開発目標)の「目標6:すべての人々に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する」への取り組みでもある。
※SDGs(持続可能な開発目標):国連の「持続可能な開発サミット」(2015年)で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中の2016年から2030年までの持続可能な開発目標。国際社会の共通課題である17の目標と169項目の達成基準が盛り込まれている。
■地球環境にやさしい浄水システム
ヤマハクリーンウォーターシステムは、古くから世界各地で使われてきた「緩速ろ過式」をベースに、凝集剤やフィルターを使用しないため、運用による環境負荷が低く、河川や湖沼の表流水を原水に、1日に8,000リットル(約800〜1,200人分)の浄水を供給することが可能。また、シンプルな構造から、メンテナンスが容易であることも特徴だ。
■導入による暮らしの変化
ヤマハクリーンウォーターシステムを使うと、河川や池の水をきれいな水に変えられる。衛生概念向上への寄与や、下痢・発熱などの低下にも効果を見せている。水汲み活動からの解放による生産・学習活動への転換、また水配達や清浄・製氷などのビジネスによる村落開発など、暮らしにさまざまな変化が起こっている。さらに運営のための委員会が設立されるなど、自治能力の向上にもつながっている。
■設置状況(2017年12月現在)※本件10基を除く
総設置数:12ヵ国24基
・アフリカ:7ヵ国10基
(セネガル、モーリタニア、ベナン、コートジボアール、コンゴ民主共和国、アンゴラ、カメルーン)
・アジア:2ヵ国8基 (インドネシア、ベトナム)
・アジア(モニター設置):5ヵ国6基 (カンボジア、ミャンマー、ラオス、インドネシア、ベトナム)