出光大分地熱の滝上バイナリー発電所では既存の滝上発電所(出光大分地熱と九州電力株式会社との共同運営)で使用されていない熱水を利用し、熱効率を15%改善させた。既存の地熱発電所で使用されていない熱水を利用するバイナリー方式としては滝上バイナリー発電所が国内商用第1号。このような未活用熱水の有効活用、発電容量向上の取組みが国策である地熱発電の拡大に貢献するものと評価され、「経済産業大臣賞」を受賞した。
地熱は天候によって発電量が左右されない再生可能エネルギーであり、 日本は世界有数の地熱資源を有していることから注目されているが、新規で開発を行う場合、地下資源調査から発電所建設まで10年程度かかるなど開発に長い年月を要することが課題となっていた。
滝上バイナリー発電所のみならず、既存発電所にバイナリー方式を導入することによって、比較的短期間で発電容量の向上が望める。日本全体で新規開発を推進するとともに、バイナリー方式の導入を進めることによって、資源ポテンシャルの最大化が図られ、国策である地熱発電の拡大にもつながる。