このLNG燃料供給船は、中国の滬東中華造(Hudong-ZhonghuaShipbuilding)で建造される。全長は約135メートルで、LNGタンクはフランスGTT社のMarkIIIメンブレンタンク方式を採用する。安全に燃料供給を行うための高度な操船設備を装備し、また最高レベルの環境基準を満たすよう、LNGを燃料としても利用、また発生するボイルオフガスを再液化できる設計となっている。本船の船舶管理は商船三井のグループ会社MOL(Europe, Africa)Ltd. が担う予定。
両社はこれまで舶用油の取引において良好な関係を築いてきた。また、2020年の船舶燃料の硫黄分規制の一般海域への拡大を前にして、LNG燃料の普及・利用に関する覚書を締結している。今回のLNG燃料供給船の契約締結を通じて、より強固なパートナーシップを構築していく。
TMFGS社長のオリビエ・ジュニー氏は今回の決定に関し、「当社にとって初となるLNG燃料供給船において商船三井とパートナーシップを組むことを、大変喜ばしく思っています。商船三井のLNG輸送における業績にはトタルと共に大きな結果を残してきたものも含まれています。当社の船舶燃料事業における長年の活動とLNG業界でのグローバルな立ち位置と合わせて、この先駆者的な合意は、船舶用燃料としてのLNGビジネス発展に対して特別な貢献を果たすとともに、この新燃料に向けたトタルの強いコミットメントを表す良い例となります」と述べている。
商船三井取締役専務執行役員・エネルギー輸送事業本部長の橋本剛氏は、「TMFSG社のLNG燃料供給船の第一船でパートナーに選定されたことは大変光栄です。これは商船三井のエネルギー輸送事業にとって非常に意義深いプロジェクトであり、当社の技術・経験を活用してTMFGSのLNG燃料事業の拡大に寄与したいと考えています。またこの事業参画はLNG燃料のみならず既存の舶用油でも両社の関係を強めるものと確信しています」と述べている。