今後もヤンマーは、マーケットが求める品質の酒米栽培を支援することで、農家の収益維持や所得の安定に貢献していく。
1.酒米契約栽培による日本酒メーカーとの販路マッチング
今回、実需者である沢の鶴と生産者をマッチングして、需要に応じた酒米の生産を実現した。品種・面積・価格条件を播種前契約し、生産者の安定経営と実需者の安定的な仕入れに貢献する。また、農家に対し、主食米から酒米(加工米)への生産転換を提案することで、水田を無駄なく活用し、生産者の所得向上に貢献する。
2.酒米(種子)の研究開発について
沢の鶴が求める品質の日本酒を造るため、ヤンマーの研究施設であるバイオイノベーションセンター倉敷ラボにて開発中の酒米候補となる系統の選定、評価を行った。名古屋大学との共同研究のもと、米の形状特性や生育特性、精米などの加工適性試験を実施。沢の鶴による酒造適正評価や試験醸造などを経て、条件を満たした酒米で今回の日本酒を醸造した。今後は、ヤンマーのイノベーション技術を活用して生産農家が抱える既存の酒米生産における問題点を解決するとともに、単独品種で新たな日本酒への採用などを目指し、酒造現場のニーズに応えられる低コスト・高品質を実現する酒造好適米の開発を加速していく。
3.ヤンマーがもつ豊富な営農・栽培支援を活用
酒造りに求められる原料米の品質を同社のテクノロジーで解決する。
・ドローンを活用したリモートセンシングによる生育状況の“見える化”と改善策の提案や、作業日報や機械の稼動管理が行える営農支援ツール「スマートアシストリモート」など、ICT農業を取り入れた栽培管理の最適化で農作業の効率化を実現。
・稲作に必要な資材費や農作業時間の短縮といったコスト削減に繋がる田植えの技術「密苗」など、省力化、低コスト化技術の導入による再生産可能な営農を提案。
・酒造りに求められるお米の品質基準を達成する為、土壌診断による圃場に最適な施肥設計を行い、最適な栽培サポートを実施。収量の安定・品質の向上・資材(肥料)の削減に貢献。
1717年に米屋を発祥として創業し、純米にこだわった灘の酒蔵沢の鶴が、ヤンマーの酒米ソリューションで生産された独自の酒米を100%使用した純米大吟醸酒「沢の鶴 X01」を、4000本限定で2月26日より発売する。沢の鶴の要望に合わせて生産された酒米を使用し、沢の鶴が醸造した。また、ボトルデザインはヤンマーのデザイン戦略室が担当。沢の鶴が純米酒に付する「※(こめじるし)」とヤンマーのエンジン銘板をイメージしたチャームで両社による取り組みを表現した。注いだ瞬間に広がる、熟した果実を思わせる香りが印象的だ。