ネツレン高周波熱錬のブースに展示されていたのは、ホンダNSXのステアリング・システムだ。ネツレンは、ここに「中空ラックバー」を供給している。同社は、世界で唯一「中空ラックバー」の一貫生産ライン(塑性加工〜高周波焼入れ〜仕上げ完成)を持つサプライヤー。従来の切削加工とは異なる冷間塑性技術により、最大50%の軽量化、ニヤネットシェイプを実現できるという。もちろん、耐久性、精度も問題ない。
ネツレンが得意とするのは、VGR(可変ギヤレシオ)のステアリングラックだ。可変ギヤレシオで中空ラックバーを作れるのは、同社だけだという(棒材をガンドリルでくりぬいて中空にするメーカーはあるそうだ)。
電動化、燃費規制の強化などで、軽量化へのニーズは高い。ラックバーで1kg軽くできるなら、今後の引き合いも増えていくだろう。現状では、NSXのようなスポーツカー、高級SUVなどで採用されているという。