耐久性の著しく向上に伴い、カバーやコイルなどの奥に置かれるようになったこともあり、今やスパークプラグはかつてほど身近とは言い難い存在であり、知っているようで意外に理解されていない部品といえる。そして、頻繁に交換が必要とされていた従来の姿から、大きく変化を遂げる要因となった耐久性の向上、高着火性という基本性能向上実現の陰にあるのが、イリジウムやルテニウムなどといった耐熱合金の電極への採用だ。
耐熱性の向上により電極の極細化、それに伴い電位をかけた際の電界強度が高められたことで、どんな状況化でも火花が飛びやすくなったことは、現在のスパークプラグを代表する特徴のひとつ。ブースでは、普段は見ることのできない、この高着火性という要素を、自分の目で確認することができるという工夫が凝らされた展示に加え、現行のスパークプラグを実際に手にとって触れることができるという体験的要素も豊富に用意。
ほかにもさまざまなレーシングプラグの実物を一堂にディスプレイすることで、その違いが比較できるという展示や、プラグの扱いにまつわるノウハウも紹介されるなど、スパークプラグへの理解を促す内容は興味深いものばかりであった。