ディース氏は次のように述べている。
「AIによって自動車に革命的な変化が生じています。自動運転、排気ガスのない交通手段、デジタルネットワーキングは、AIとディープラーニングの進歩がなければ、ほとんど不可能です。VolkswagenとAIテクノロジのリーダーであるNVIDIAの想像力を組み合わせることにより、未来に向けて大きな一歩を踏み出すことができます」
フアン氏は次のように述べている。
「数年もすれば、すべての新車には、拡張現実(AR)に加えて、音声、ジェスチャー、顔認識のためにAIアシスタントの搭載が求められるようになります。そして、VolkswagenとNVIDIA DRIVE IXテクノロジの連携によって、これが実現します。VolkswagenはNVIDIAと共に、これまでのいかなる自動車よりも安全で、運転が楽しく、誰もが利用できる新世代の自動車を構築します」
NVIDIA DRIVE IX Intelligent Experienceプラットフォームは、AI対応アプリケーションを作成するためのソフトウェア開発キット。AI対応アプリケーションには、自動車のロックを自動的に開閉するための顔認識、潜在的な危険についてドライバーに警告するための周辺環境認識、ユーザー操作のためのジェスチャー認識、正確な音声制御のための自然言語認識、ドライバーのわき見運転警告のための視線追跡などがある。
VW I.D.Buzzでは、「Intelligent Co-Pilot」アプリケーションを作成するためDRIVE IXテクノロジが利用される。これには、自動車の内部と外部の両方から得られるセンサーデータの処理に基づく便利な支援システムが含まれる。このシステムは、ソフトウェアの更新により自動車の全ライフサイクルを通じて拡張でき、自動運転に関する新たな発展が生じるのに応じて新しい機能を獲得できる。ディープラーニングにより、未来の自動車は、状況を正確に評価し、道路上の他者の行動を分析することを学び、適切な決定を下すことができるようになる。
I.D.Buzzは、Volkswagenが電気自動車キャンペーンを開始し、2020年から自動運転を段階的に導入するI.D.ファミリー1に属するモデル。Volkswagenは、この分野で世界的リーダーになるという目標に向けて取り組んでおり、2025年までに電気のみを動力とする20台超の自動車モデルが計画されている。
こうした新モデルは、まったく新しいMEB自動車アーキテクチャーに基づいている。これは、排ガスゼロ、デジタルモビリティー、電気駆動の包括的なメリットの活用を一貫して目指している。シャーシにフラットに統合されるバッテリーとコンパクトな駆動システムを利用することにより、広々として、柔軟にレイアウトを変更できる内装が実現する。この目的を達成するため、ARヘッドアップディスプレーを採用する運転コンセプトなど、コンパクトな電気自動車セグメントの先進的なテクノロジを利用できる。
MEBアーキテクチャーに基づくモデルは、当初から最新の支援システムを提供し、利用可能な各レベルの自動運転に対応する。MEB電気システムは、MQBアーキテクチャーに基づく従来の運転システムを備えた自動車にも、段階的に導入される予定だ。
Strategy Analyticsのディレクターであるロジャー・ランクトット(Roger Lanctot)氏は、次のように述べている。
「NVIDIAは、最先端のGPUとクラウドコンピューティングを開発しているだけでなく、自動車のAIコンピューティングにおけるマーケットリーダーでもあります。NVIDIAとVolkswagenの提携によって、すべての人々が、このレベルのAI機能を利用できるようになる可能性があります。魅力的なAIユーザーインターフェース、自動運転機能を備え、ドライバーの安全性を向上したVWI.D.Buzzは、誰もが夢見る未来を予感させるものです」