フォードは12月14日、同社の最新技術のカギである自動運転と電気自動車開発・販売戦略チームをフォードの“ふるさと”で進めることになると発表した。

フォード創業の地、デトロイトのコークタウン。風情のある建物だ

フォードが自動運転開発と電気自動車の開発・販売戦略チームをデトロイトの約4180平方メートルの土地に移転させることになった。移転先のコークタウン、デトロイトはかつてのフォードの生産工場があったところで、同社は最新の研究をフォードの“ふるさと”で進めることになる。




コークタウン、デトロイトにはフォード約110年の歴史を誇る工場、通称“ザ・ファクトリー”がある。同社はこの歴史的建造物を修復・近代改修し、研究チームを移転することになる。

このクラシックな建物で自動運転技術、EV開発が行なわれることになる
そのときは、内部は最新の設備でいっぱいになるはずだ。220名以上のスタッフがここで働くことになる。


フォードのジム・ハケット(Jim Hackett)CEOは


「フォードの故郷であるこの地に戻ってこられることは非常にうれしく思う。この地で電気自動車・自動運転車の開発をさらに進め、“スマートな世界にスマートなクルマを届ける”という使命を果たせるようになりたい」


とコメントした。




経営執行会長ビル・フォード(Bill Ford)氏にとって、移転先のコークタウンは特別な土地だ。同氏の遠い先祖が昔、アイルランドのカウンティ・コークという地からこのミシガンにやってきたのだ。デトロイトのなかでも最も古いコークタウンの名前は先祖たちがやってきたカウンティ・コークからきている。


「デトロイトに戻ってくるのは非常にうれしい。私の曽祖父が自分のクルマづくりの夢を追い求め第一歩を踏んだ地であるからだ。私たちはこのデトロイトの地、人々、そしてそこで我々が何をできるかという可能性を信じている」


とフォード氏はコメントした。




移転先のセンターではフォード最新の自動運転・電気自動車開発をする220人以上のスタッフや研究員が働くことになる。デトロイトへの移転は年明けに始まる。自動運転車・電気自動車の研究チーム約200人がコークタウンで最新のモビリティ研究を進める。

自動運転、電気、その先は

フォードは積極的に自動運転技術の開発を行なっている。2021年には完全無人運転の自動運転車を発売するとしている。あとわずか3年だ。

コークタウンでの研究開発はシェリフ・マーカビー(Sherif Marakby)氏がリーダーとなって進める。同氏は1990年にフォードの一員となって以来ずっと働いてきた“フォード・ベテラン”だ。一時、ウーバー(Uber)に副社長として移籍したが、ウーバーを去って、どうやらフォードに戻ったようだ。




フォードは電気自動車事業をハイブリッド車や電気自動車とともに促進する考えだ。社内には“チームエジソン”と呼ばれる専用の研究開発チームがあり、電気自動車の開発と応用を日々研究している。


また、チームエジソンは他社とのパートナーシップや協力関係を積極的に構築することにも重要性を置いている。最近では中国向けにゾタイ(Zotye)社と電気自動車関係においてパートナーシップを締結し、Zotye Ford Automobile Co. の50%50%ジョイントベンチャー企業を設立している。ほかにもArgo AI社に10億ドル以上投資しており、Argo AI社のロボット技術や人工知能技術などをフォードの自動運転技術に応用できないか模索している。




2021年に販売開始を予定しているフォード初の自動運転車は完全自律走行が可能なハイブリッド車となっている。フォードのパートナーが求めるさまざまな要件・要望に応えるだけでなくユーザーに最高の体験をしてもらうため、フォードは以下の4点をキーファクターとしている。




・市販車グレードのクオリティと低コストを追い求めるのと同時に街中のさまざまな場面でも活躍できる頑丈な造り


・低排出量、低燃費を達成するための電気ハイブリッドのパワートレーン


・配達事業や相乗り(タクシーやUBERなど)も考慮した自動運転システム


・開発から実車試験、生産まで一貫して安全性や信頼性を考慮する

情報提供元: MotorFan
記事名:「 フォード、自動運転車・電気自動車チームを会社発祥の地デトロイト コークタウンへ移転