それよりも注目は、その3105+300カ所の「ゾーン30」が、今後、ちゃんと正しく運用されていくのか、ということ。もちろん、「交通事故が減り、歩行者の命が守られること」はいいことなのだが、その陰で、最近の交通取り締まり件数の減少に歯止めをかけたいという警察の姿勢が見え隠れしている。つまり、「交通事故の抑制」という大義名分を盾に、いわゆる反則金稼ぎの狩場となる可能性もあるからだ。
走行車の速度が遅いのになぜ? と思うかもしれないが、さすがに幹線道路に比べればクルマの流れは遅いというのは事実だが、それでもほとんどが30km/h以下で走っているのか、となると甚だ疑問。幹線道路と同じく、走行車のほとんどがスピード違反をしているということには変わりはない。しかも、平均走行速度が低いだけに取り締まる側にとって、有人取り締まりの際に受傷リスクが軽減されるというメリットが、実は「ゾーン30」にはある。それだけに、反則金ノルマを達成したい警察にとっては願ったりかなったりというわけだ。
ただし、スピード取り締まり総件数の99.9%以上が15km/hオーバー以上という現状を見ると、「ゾーン30」で捕まるのは45km/h以上となるが、見通しが良く道幅も広い道路であればまだしも、写真のような細い道での取り締まりは逆に効率がすこぶる悪くなるはず。もしかして「危険度の高い生活道路」ということで、5~10km/hオーバー程度でも捕まえようというのだろうか。確かに「15km/hオーバー以上」というのは規定でもなんでもなく(規定だったら14km/hオーバーまでは違反じゃないと警察が認めちゃうことになる)、慣例みたいなものだから、それ以下で捕まる可能性がないわけじゃないのだ(事実、2017年前期で27件の検挙実績がある)。
いずれにしても来年以降、「ゾーン30」やその他の生活道路での新型移動オービスによるネズミ捕りのみならず、簡易式固定式オービス(センシスsss)も続々、導入される以上、ドライバーにとって「ゾーン30」は身近な鬼門になると言えるかもしれない。最近は地図上に「ゾーン30」エリアが表示されているカーナビも増えているから、あらかじめチェックしておこう!