一例として三菱重工マリンマシナリのパワータービン発電機との組み合わせが挙げられ、この場合、2ストローク主機エンジンからの抽気ガスを動力源とした約500kWから2,000kWの省エネ電力を、バルチラ社の軸発電装置を介して船内に供給することができる。そのほかにも、ハイブリッド過給機などの三菱重工マリンマシナリが保有する各種省エネ発電システムと軸発電装置の連係が可能だ。
三菱重工マリンマシナリは、三菱重工業の100%子会社で、2013年10月1日に、三菱重工の舶用機械の開発・設計・販売・アフターサービスおよびライセンス業務を承継して発足した。同社はMET過給機、舶用ボイラ/タービン、プロペラ、フィンスタビライザ、舵取機、デッキクレーン、甲板機械など、世界で類を見ないほどの幅広い舶用機械のラインアップを有し、三菱重工の技術力をベースに、高い信頼性と性能を両立した製品を提供している。
一方のバルチラ社は、フィンランドに拠点を置き、船舶およびエネルギー関連市場におけるパワーソリューションのグローバルリーダーとして、世界70ヵ国に約170ヵ所の拠点と約1万8,000人の従業員を擁している。
三菱重工マリンマシナリではすでに、主に大型コンテナ船向けに多くの実績を積んでいる従来型の排熱回収システムや低温熱源を有効回収・活用する小規模バイナリー発電システムであるORC(Organic Rankine Cycle)による省エネ提案を進めており、今回の新たなソリューションを加えることで、今後、環境規制がより一層強化される海運・造船市場において、より幅広く省エネソリューションの提案を進めていく。