そんな『ラリークロス』が11月14日、ついに日本で初開催された! 舞台はドリフトの聖地、エビスサーキット。ご存知の方も多いと思うが、コチラの支配人はD1チャンピオンの実績がある熊久保信重さん。彼は『ラリークロス』の可能性に惹かれ、日本開催に向け立ち上がったのだ。2016年からはダートラに参戦し、ダートでの走りを研究。そしてエビスサーキット西コースを大改修。舗装のバックストレート横にクラッシュアスファルトのダートコースを設定する熱の入れよう。そして『ラリークロス』は“オフ”だけでなく“オン”ロード競技のドライバーも参加できる余地があるから各方面に声を掛け、賛同したドライバー、チームが集まり、初開催に至ったのである。
参加者の面々がスゴイ。TRDは全日本ラリー参加車両を持ち込み、ドライバーに奴田原選手を起用。キャロッセも4WDターボのヴィッツのラリーマシンを投入。ドライバーは柳澤選手だ。その他GTドライバーの平峰選手が参戦したり、“世界の新井”も緊急参戦。ラリーやダートラで実績豊富なドライバーも多く、単純に「誰が速いのか?」に興味津々。ただドリフト系ドライバーが少なかったのが残念だったが……。
挑戦を決めたエントラントに話を訊くと、全ての人が「楽しみにしている」と好意的。その可能性の高さに注目し、盛り上がると確信していた人も多かった!? もちろん課題もある。予選前のブリーフィングでは「ああした方がイイ」「こうしてほしい」と率直な意見が出て、現場で運営を見直したケースもあったほど。しかし、それも運営サイド、参加者ともに、“熱”があるからこそ。より良いモノに、もっと盛り上がるモノにしたいという意思ゆえだ。
レースは、舗装、ダートと両方をこなすラリードライバーが有利かと思われたが、結果はGTドライバー、ドリフト・ダートラ、ダートラのドライバーが各クラスの勝者となった。初開催で“必勝パターン”が確立していないこと、そして雨が降り路面コンディションが変わったことも響いたか。しかし、練習走行、予選からすべてがスリリング。ドリフトなどドライバーのテクニック、ドッグファイト、舞い上がる土埃。参加者たちは一様に充実した表情を見せていた。まずはスタートをきった『ラリークロス』、大きく盛り上がっていきそうだ。