つい先日、その幕を閉じたばかりの「EICMA(国際モーターサイクルエキシビション)」。その中のVespa(ベスパ)ブースで注目を集めた電動モデルだが、昨年から大きく進化した内容を見てみよう。そして今回はハイブリッドモデルとの2タイプの設定となり、市販は目前だと想像できる!(REPORT:大家伝)

Elettricaは単なる電動スクーターにあらず?

ベスパでは新しい電動コミューターのことを「Vespa Elettricaは電動スクーターではなく、Vespa Elettricaであり、技術的な心臓部を持つ現代美術作品である」という表現をしている。なるほど。バフがけされたアルミのような質感のボディはなかなかの美しさだし、エッジラインやホイールリム、それにシートのパイピングに施されたブルーやオレンジの差し色が引き締め効果として効いている。現代美術作品と言うのもうなずける。

今回発表したElettricaは2タイプ

ところで昨年の同ショーで初お披露目された電動コミューターの「Elettrica」だが、今回はジェネレーターと電動モーターを組み合わせ、常にバッテリーを充電することで航続距離を倍増させた「Xバージョン」も登場。どうやら2バージョンを揃え、いよいよ市販開始まで秒読み段階にあると感じさせる完成度で注目を集めた。




「Elettrica」は2kWの連続出力と4kWのピーク出力、200Nmを超えるトルクを発生するパワーユニットによって従来の50ccスクーターより優れた加速性能と低騒音を実現。リチウムイオンバッテリーは4時間でフル充電できるうえ、減速時に効率的に充電するエネルギー回収システム(KERS)の恩恵もあって航続100kmを達成。スロットルコントロールにはRide by Wireを採用し、右グリップのMODEボタンでECOとPowerの2つのモードが選択可能。

さらにメーターパネルには4.3インチカラーTFTディスプレイを備え、スピード、選択モード、残存距離、バッテリー充電率(%)などの主要情報を、昼夜を問わず見やすく表示。新バージョンのVespa Multimedia Platformはスマートフォンとの接続を可能とし、専用アプリ&内蔵イヤホンとBluetoothインターホンを備えた専用ジェットヘルメットとの組み合わせで着信コールやメッセージの通知、通話応答、ダイヤル、音楽再生なども可能となっている。




一方、ジェネレーターと電動モーターを搭載する「Elettrica X」は、いわゆるハイブリッドなモデルとなる。ジェネレーター本体に加えて、ジェネレーター用の燃料タンクも設置する必要があり、そのスペースの問題からバッテリーは小型タイプとなる。それもあってジェネレーターOFFジでは航続50kmとなるが、ジェネレーターを駆動すればトータルで200kmまで航続距離を延長できるというので、いわゆる市街地での使用にとらわれない使い方がイメージできる。ちなみにジェネレーターはバッテリーの充電レベルが低下すると自動でONとなるが、手動でも操作可能。




公式発表として「Elettrica」と「Elettrica X」は2018年に世界で流通開始となるそうだが、現段階で日本国内への導入時期などは未定である。







情報提供元: MotorFan
記事名:「 “電動”がキーワード! 気になる最新ベスパ事情