クルマにとって必要不可欠なガソリンを、いかに効率的に使用できるかを競うのがこの「Honda エコ マイレッジ チャレンジ」である。その第37回 全国大会が10月に開催され、エンジンを独自に電子制御したクルマや転がり抵抗を極端に減らしたクルマ、スーパーカブのチューニング車など多くの車両で競われた。(REPORT:近田茂)

クルマでもバイクでも、今燃費に関心のある人は増えています。燃費が良くなれば地球規模でエコ(環境)に優しくなり、エコ(経済)への影響も大きい。個人的に実感できるガソリン代の節約もバカにはできません。それだけに世の中の目は、クルマの省燃費を無視できなくなっているのです。




ではいったい、クルマは1リッターのガソリンでどのくらいの距離を走れると思いますか。なんとそれはおおよそ「3000㎞」!


もちろんこれは競技用の特別な車両でのお話です。先日(10月1日)栃木県にある「ツインリンクもてぎ」で開催された燃費競技は37年もの歴史を誇り。それぞれのクラスで注目すべき記録が打ち立てられてきました。




参加車両も夢のような最先端技術を結集して燃費性能をとことん追求し、ハンドメイドされた競技専用車両を始め一般の市販バイクをベースにした物まで様々。ユニークな2人乗りクラスもあって競技は全7クラス。中学生(グループⅠ)や高校生(グループⅡ)、大学等(グループⅢ)クラスもあり、そこにはまるで野球の甲子園のような雰囲気も。




パドックに漂うピリピリとした緊張感や和気あいあいも、Honda エコ マイレッジ チャレンジならではの歴史の重みが感じられます。産学のコラボレーションも見られクルマ業界の技術開発や燃費に対する社会の意識向上への貢献度は侮れないものが伝わってきます。


何よりもチャレンジ精神をかきたてられた生徒達が真剣に取り組む姿勢は将来へ繋がる技術の伝承と発展に欠くことはできないイベントだと思えたのが印象的でした。




ごく簡単に解説すると徹底した効率追求の勝負。車体は軽く空気抵抗や転がり抵抗が少ない。ちょっと勢いを付ければ惰性で自転車よりもはるか遠くまで転がって行きます。


動力は内燃機関を搭載していますが、使う燃料をいかに少なくするか、使っている時間を少なくするかを模索。それでいてしっかりと確かなトルクを発生させる事。その発生トルクを無駄なく車輪に伝える事。つまり燃焼効率や動力の伝達効率を徹底的に追求。エンジンを始動してスタートし、エンジンを停止して車体を転がす。その繰り返しで競技は進行しますが、どの程度の速度を出すかエンジンの始動時間をどうするかは腕の見せ所。ただ最先端のクルマはそれさえも電子的に最大効率で自動制御されています。お手製の制御プログラムを投入しているのです。もっとも親しみやすい二輪車クラスではホンダのスーパーカブが多くみられます。




競技はオーバルのスーパースピードウェイを規定時間内に7周(16.38968㎞)(※二人乗りと二輪車クラスは3周)して燃料消費率を計測。但し平均車速は25㎞/h以上でなければならない。つまり遅すぎると失格になると言うもの。


結果は各クラス毎に表彰されたが当日のトップデータを叩き出したのは一般クラス(グリープⅣ)に参加した富士エコラン・チーム白糸で2791.897㎞/L。もっとも改造の少ない二輪車クラスでも横浜テクノBREAKが 297.298㎞/Lで優勝。ガソリン1Lあれば東京から名古屋まで行けてしまう。過去には神戸まで行ける記録も。競技とは言えこの結果には心底ビックリさせられました。

配給されるガソリンもしっかりと管理されている。

レースの1コマ。空気抵抗を減らす車体形状のものが多い。

もともと燃費の良いスーパーカブはベース車としても人気。

2791.897㎞/Lを記録し、グループⅣクラスで優勝した冨士エコランチーム白糸。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 今年の最長は2791.897㎞/L! 「Honda エコ マイレッジ チャレンジ2017」