東レでは、この需要増加に対応するべくコストパフォーマンスに優れるレギュラートウ新品種の開発を進めてきた。
ラージトウとは、フィラメント数が40K(40,000本)以上の炭素繊維で、衣料用アクリルトウ設備転用により製造され、比較的安価な製品として風力発電機翼、樹脂コンパウンド強化剤等に使用される。
一方のレギュラートウは、フィラメント数が24K(24,000本)までの炭素繊維で、専用設計されたプロセスにより製造され、航空機等、高性能・高品位分野で使用される。
今回開発した新品種「Z600」は、現在Zoltekで生産しているラージトウと、圧力容器用途等で実績のあるレギュラートウの中間の物性を持つ。今後、需要をけん引する自動車構造部材などを中心とした産業用途に展開していく。
東レグループでは、今回新たにラインアップした品種に留まらず、今後も次世代高性能炭素繊維を新たに開発し一層拡大する炭素繊維需要に幅広く対応していく。
東レは、中期経営課題“プロジェクトAP-G2019”において、炭素繊維複合材料事業の重要課題として「成長分野での事業拡大、新製品開発による新規需要の創出」を掲げている。今後も幅広い製品ラインアップを揃える総合力と、川上から川下に至る垂直統合型ビジネスのグローバル展開により、炭素繊維複合材料事業のさらなる拡大を目指す。