11月4日、2017シーズンSBK最終戦となる第13戦カタール・ラウンドが行われた。ドゥカティ勢は、レース1でデイビスとメランドリがダブル表彰台。レース2はデイビスが2位、メランドリが6位で終え、2017年チャンピオンシップ2位が確定した。

2017 スーパーバイク世界選手権(SBK)最終戦となる第13戦カタール・ラウンドが、ロザイル・インターナショナル・サーキットで開催された。カクテルライトに照らし出されたナイトレースで、Aruba.it Racing - Ducatiチームのチャズ・デイビスとマルコ・メランドリは、レース1を2位と3位でフィニッシュして、ふたり揃って表彰台に登壇。デイビスは、レース2でも2位でチェッカーフラッグを受け、合計405ポイントを獲得してチャンピオンシップの年間ランキングで2位を確定させた。メランドリは、グリップの問題に苦しみ、レース2を6位で終えた。

RACE1

スーパーポールでは苦戦して3列目からのスタートとなったデイビスとメランドリだが、気迫溢れる走りで上位陣と表彰台をかけたバトルを展開。デイビスはスタート直後から素晴らしい追い上げを見せて、すぐに2番手に浮上すると、チェッカーフラッグまでこのポジションを維持。チャンピオンシップで2位をキープし、3位のトム・サイクス(カワサキ)との差を広げる貴重なポイントを獲得した。一方のメランドリは、序盤はパースが上がらなかったものの、徐々にポジションを上げて3位でチェッカーを受け、SBKシリーズではカタールで初の表彰台に登壇した。


リバースグリッド・システムにより、レース2では、デイビスが8番グリッド、メランドリが7番グリッドからのスタートとなる。






以下レース1のコメント

チャズ・デイビス(Aruba.it Racing - Ducatiスーパーバイク・チーム#7)

●チャズ・デイビス(Aruba.it Racing - Ducatiスーパーバイク・チーム#7) – 2位


「チャンピオンシップで2位を確定させるという目標のためにポイントを追加できたことは嬉しいが、正直厳しいレースだった。いくつかの問題に対処しながら、出来ることはすべてやったつもりだ。コーナー入口と出口でグリップの問題に悩まされて、俊敏性も少し欠けていた。しかし、2位を獲得して大きな20ポイントを獲得できたのでハッピーだ。明日のレースに向けて、エレクトロニクス、とくにエンジン・ブレーキを向上させるための貴重なデータも得ることができた。このまま集中力を切らさないようにして、レース2ではさらに良いリザルトを目指したい」

マルコ・メランドリ(Aruba.it Racing - Ducatiスーパーバイク・チーム#33)

●マルコ・メランドリ(Aruba.it Racing - Ducatiスーパーバイク・チーム#33) – 3位


「今日の結果には満足している。これ以上のリザルトは難しかったと思う。スーパーポールの後に、どのようにマシンを調整すべきか良く分からなかったが、チームが素晴らしい仕事をして、マシンの戦闘力を更に高めてくれた。それでも100%ではなかったが、限界に近い走りをすることができた。レース序盤は、リヤタイヤのグリップ不足に悩まされた。マシンが大きく振られて、思うようにプッシュできなかった。フロントをうまく使うことでバランスを取り、いくつかポジションを上げることに成功したが、終盤にタイヤがかなり摩耗して、これ以上のリスクは危険だと判断した。表彰台を獲得して、チームの士気を高めることができた。マシンを熟成させて、明日のレースではさらに上を目指したい」

●ステファノ・チェッコーニ(Aruba S.p.A CEO兼チーム代表)


「レース前まではさまざまな問題に直面していたので、今日のリザルトには満足している。ライダーとチームは、非常に良く対応してくれた。ダブル表彰台は嬉しいことだが、我々は常に優勝を目指して戦っている。レース2では、さらに良いレースができるようにベストを尽くしたい」

RACE2

3列目から素晴らしいスタートを切ったデイビスは、ターン1で早くもトップに立つと、そのまま後続マシンを引き離しにかかった。しかし、ターン5であやうくクラッシュしそうになり、2番手に後退してそのままフィニッシュした。一方、年間ランキングで2位を争っているサイクスは、リタイアを余儀なくされた。


チームメイトのメランドリは、グリップに問題が発生して苦しい展開となるが、粘り強く6位でフィニッシュ。メランドリは、ドゥカティから初参戦した今年、パニガーレRを13回の表彰台に導いて(1回の優勝を含む)年間ランキング4位となった。


Aruba.it Racing - Ducatiチームのプロジェクト・ディレクター、アーネスト・マリネッリは、今季限りでドゥカティを去ることになる。マリネッリは、チームを率いた3年間で合計24回の優勝と73回の表彰台を勝ち取った。彼の素晴らしい功績に感謝し、今後のさらなる活躍に期待したい。


チームは、11月22日~24日に、スペインのヘレス・サーキットで、2018年シーズンに向けての最初のウインター・テストを実施する。






以下レース2のコメント

チャズ・デイビス(Aruba.it Racing - Ducatiスーパーバイク・チーム#7)

●チャズ・デイビス(Aruba.it Racing - Ducatiスーパーバイク・チーム#7) – 2位


「このラウンドの目標としていたチャンピオンシップ2位を確定できたので、本当に嬉しい。今日のレースも厳しい戦いとなった。今日は、おそらくキャリア最高のスタートが切れた。その後は、サイクスのポジションを確認しながらレースを進めた。ターン5ではあやうくクラッシュしそうになった。まさにロデオのような状態だったが、なんとか持ちこたえることができた。サイクスがリタイアしてからは、2番手をキープすることに集中した。今日は、これがベストだったと思う。エキサイティングなシーズンを送ることができ、ドゥカティとAruba.itチームに感謝したい。2018年シーズンを今から楽しみにしている」

マルコ・メランドリ(Aruba.it Racing - Ducatiスーパーバイク・チーム#33)

●マルコ・メランドリ(Aruba.it Racing - Ducatiスーパーバイク・チーム#33) – 6位


「この3日間、チームは素晴らしい仕事をしてくれたが、レース2ではグリップが不足して、いつくつかの問題に対処する必要があった。最大バンク角でトラクションが得られず、ストレートでもバイクが振られて、スロットルを全開にすることができなかった。もう少し上のランキングを狙えたかもしれないが、明るい面に目を向ければ、いくつかの素晴らしいレースもあったし、今後も戦闘力を上げられる余地がたくさん残っている。これから気合を入れ直して、非常に重要なウインター・テストに臨みたい。2018年は、タイトルを目指して戦いたい」

●アーネスト・マリネッリ(スーパーバイク・プロジェクト・ディレクター)


「非常に充実した週末だった。チャンピオンシップで2位を確定させた、チャズの決意溢れる走りに感謝したい。我々は常に勝利するためにレースをしているが、昨年はライダーズ・ランキング2位の座を逃してしまった。今年でチームを去るので、カタールは私にとっては特別なラウンドとなった。ドゥカティ、Aruba.it、そしてチームのスタッフ全員の努力、素晴らしい瞬間を共有したすべてのドゥカティ・ファンに心から感謝したい。チームで過ごした時間を、決して忘れることはないだろう」

情報提供元: MotorFan
記事名:「 【SBK最終戦・ドゥカティレポート】デイビス・レース1、レース2ともに2位。チャンピオンシップ2位が確定