10月27日より11月5日まで東京ビッグサイトで開催されている「第45回東京モーターショー2017」で、携帯電話キャリア「au」の名で知られる通信会社・KDDIは、西4ホールの主催者展示コーナー「TOKYO CONNECTED LAB(トーキョーコネクテッドラボ)2017」にブースを構えている。




プレスデー2日目となる10月26日、KDDIは同ブースでプレスブリーフィングを実施。同社の森敬一常務が、コネクテッドカーとKDDIとの関わりを振り返りつつ、IoT技術を用いた新しいカーライフのあり方を提案した。

「TOKYO CONNECTED LAB 2017」KDDIブースで記者発表を行う森敬一常務

プレゼンテーションの冒頭、森常務は「なぜ通信会社のKDDIが東京モーターショーに出展するのか、不思議に思われるかもしれません」と切り出したが、多くのトヨタディーラーでauの携帯電話が販売されているのは有名な話。

KDDIの通信モジュールが搭載されているトヨタG-BOOKおよびT-コネクト

そして何より、KDDIは2002年8月より現在まで、トヨタ自動車にテレマティクスサービス向けの通信技術を提供している。その第一弾が「G-BOOK」で、その通信手段として用いられたのが、同社のCDMA 1X通信モジュールだ。2014年8月からは、同じくトヨタの「T-コネクト」向けにLTE通信モジュールを供給している。




また、今年4月からは、トヨタおよび東京ハイヤー・タクシー協会と共同で、東京都内を走るタクシー500台に通信型ドライブレコーダー「TransLog(トランスログ)」を搭載し、走行中の画像や車両データをリアルタイムに収集・分析する実証実験を開始した。

【タクシー500台の走行データを通信型ドラレコから収集し「つながるタクシー」を実現!】https://motor-fan.jp/tech/10000134

そんなKDDIが提案する、IoT技術を用いた新しいカーライフは、「クルマを買う」、「クルマに乗る」、「クルマで楽しむ」、「クルマを点検」の4シーン。

「クルマを買う」

「クルマを買う」では、テーブル型タッチディスプレイにキューブを置くことで、知りたい情報をすぐに取り出せる、新たなユーザーインターフェイス/エクスペリエンスを提供する。森常務は「クルマを選ぶワクワク感をより楽しんでいただきたい」と、その狙いを説明した。

「クルマに乗る」

「クルマに乗る」ではAR(拡張現実)技術を用い、スマートフォンをクルマにかざして空き状況を確認、空いていればカーシェアを予約するとともに、スマートフォンをキーとして解錠・施錠できるシステムを構築する。

「クルマで楽しむ」

「クルマで楽しむ」では、スマートフォンとクルマをつなぐオープンソース「スマートデバイスリンク」(SDL)規格に対応する音楽アプリ「うたパス」および、カーナビアプリ「カーナビタイム」を提供。

「クルマで点検」

「クルマで点検」ではAR技術を用い、タブレットをエンジンルームにかざすだけで油脂類を点検することを可能にする。




森常務は、「出発前に点検を行い、安心・安全なドライブをお楽しみいただける」と、そのメリットを訴求していたが、このシステムに実装するデータを日常点検レベルのみならず、自動車メーカー発行のサービスマニュアルなみに充実させれば、DIY派のクルマ好きはもちろんプロのメカニックにも役立つものになる。




KDDIではすでに「ビスタファインダーMx」という業務用の遠隔作業支援システムを提供しており、設備保守や災害救助、緊急医療、現場監視といった用途に使用されている。現実的にはサービスマニュアルデータの購入・使用およびAR向け加工に伴うコストの壁が立ちはだかるものの、技術的にはすぐにでも実現できることだろう。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 KDDIは2002年のトヨタG-BOOKからコネクテッドカーを進化させてきた!【東京モーターショー2017】