カワサキはこれまで401㏄以上の大型バイクにおいては国内トップブランドとして知られていたが、昨今は輸入車勢に押されぎみ。その巻き返しに本腰を入れる。今回の新車攻勢を始めとする新たな販売戦略の取り組みを披露し、その意欲的な姿勢を伝えたかったと言うのが本音だろう。
カワサキプラザについては、カワサキ車だけを扱い、企業イメージも統一化した専売ショップを全国展開。これまでよりもさらに質の高いユーザーサービスの充実を図り、顧客満足度を高めるのが狙いだ。多メーカーのバイクを取り扱う従来の併売店では、大型車に関しては取り扱いもできなくなる。
ユーザーにとって善し悪し両面があることは否めないが、ハッキリしているのは、カワサキが同社の顧客及びブランドイメージを、これまで以上に大切にし、一段と高い物に引き上げようと真剣に取り組むメーカー姿勢を明確に表明したことを意味している。
プラザ店を訪れる者は、ショップの新鮮な外観や素敵なインテリアに、チョット豊かな気分を楽しめる。ユーザーとなった時も、多彩な催しや、メンテナンス整備面に対する安心感も含め、より楽しいバイクライフが送れるよう、充実したサポートが期待できるようになるわけだ。
さて、今回の発表で最も注目されたのはレトロスポーツとして登場したZ900RSだ。なにしろそのデザインコンセプトはあのZ1をモチーフにしている。カワサキブランドを世界中に轟かせた伝説のヒット商品。タンクのカラーリングを始め、随所にそれを彷彿とさせる外観イメージは、72年にデビューし、国内にはZ750RS(Z2)として発売されて大ヒットした同社のフラッグシップモデルを想起させる。
当時を知らない若いユーザーにとっても、それが伝説の名車として、リスペクトできる存在であることは間違いないだろう。
一方、Ninja250/400(特に250は)国内でもヒット商品として侮れない存在。今回は低くシャープに刷新された外観デザインと共に、よりエキサイティングなスポーツバイクへと大幅なパフォーマンス向上が図られた。400㏄クラス人気への起爆剤としても期待値は大きい。ツーリング等へのごく一般的なニーズからスポーツライディングまで、幅広い楽しみを提供できる仕上がりが、今後の国内市場へ与える影響が興味深いところだ。
(PHOTO:近田 茂・山田俊輔/REPORT:近田 茂)