デザイナーが主体となって作り上げたネオスポーツカフェの一例。

 バイクのカスタムカルチャーに「カフェレーサー」というスタイルがある。その昔、イギリスの「エースカフェロンドン」というパブに集まっていたバイク好きで音楽好きな若者たちのあいだで起こったムーブメントだ。そのエースカフェに毎夜彼らが乗り付けたバイクは当時のGPレーサーをモチーフにした改造が施されており、格好だけではない、大勢に流されないというパンクな思想・信条もバイクに投影いていた……。


 さて時代は下って、2017年の東京だ。ホンダは「ネオスポーツカフェコンセプト」と称してこのバイクを参考出品してきた。長くホンダのバイクのデザインに携わってきた岸 敏秋氏は言う。「カフェといっても、そのスタイルやとらえ方はさまざまです。そんななか今回私たちがこだわったのが、『メタルインスピレーション』という、いわば金属が持つ温かみや美しさを再認識しながら、新しいスポーツモデルを提案したいということだったんです」


 見て、乗って、楽しむ。バイクが持つ根源的な魅力に迫れば迫るほど、その構成要素はシンプルになり、結果それが岸氏らホンダのデザイナーが考える現代版スポーツモデル、カフェスタイルとなったということなのだろう。例えば、昨今のモダンなスポーツバイクの燃料タンクは短めだが、この参考出品車はカフェということだけあって長めのタンク長。その燃料タンク後端部には、あえて帯状の金属地をむき出しのまま残している。岸氏曰く、「アイコニックストライプ」というデザイン技法で凝縮感を演出するものらしいが、前後ホイールのリム部にもそれが見て取れる。


 メタルインスピレーションのキーワードのもと作られたホンダ流カフェスタイルの一例。さて、みなさんの目にはどう映るだろうか。


 参考までに言うと、搭載されているエンジンはCB1000Rの水冷並列4気筒だった。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 【東京モーターショー速報】ホンダ流カフェスタイルがこれだ