燃料ポンプやウォーターポンプを強化し、クロームデュアルエキゾーストパイプが組み合わされるエキゾーストシステムも排気流と排気圧を改善するため見直し、さらに鋭いスロットルレスポンスを与えつつアクセルオフ時の回転落ちを早めるべく、エンジンマッピングの変更まで行っている。
シャシーもルノー・スポールの手により特別なチューニングが施されている。ダンパーは減衰力が変更された専用品で、スタビライザーも直径をアップ。ESC(横滑り防止装置)も適度なパワースライドが楽しめるよう制御が変更された。
トゥインゴGTのチーフエンジニア、マチュー・メティヴィエ氏は「我々は、安全性を犠牲にすることなく、スポーティドライビングでの安定性の向上に取り組みました。ドライバーが、きついコーナーでアクセルを開けると、ESCが作動して軌道を修正する前に、大きくスピードを損なうことなくわずかにドリフトするのか感じられます。このように、ドライバーは典型的なRRのハンドリングを楽しむことができるのです」と、その効果を強調している。
エクステリアにはそのほか、コンセプトカーのTwin'Runと同じデザインの17インチホイール、ボンネット後端からルーフ後端へ続くNACAダクトをイメージしたデカール、ブラックディフューザー、サイドスカートなどが装着され、スポーツモデルらしいスタイルに。
ボディカラーは、今回の限定車では、はじける火の粉をイメージさせるオレンジの「オランジュブレイズメタリック」のみ設定された。
ルノー・スポールは20年以上にわたりルノー車のスポーツモデルを作り上げてきたが、先代までのトゥインゴやルーテシア、メガーヌなど、そのほとんどはFF車だ。
しかし、ルノー・スポールのマネージングダイレクター、パトリス・ラティ氏は「RRモデルのハンドリングは、我々が慣れているFFモデルのハンドリングとは全く違うため、このモデルの開発はルノー・スポールにとって真の挑戦でした。そして、トゥインゴGTは、バランスのとれたファントゥドライブなモデルとなったのです」とコメント。
全てのR.S.モデルとGTモデルを担当したルノー・スポールのテストドライバーが最後の仕上げを行ったという、このトゥインゴGTの完成度に自信を覗かせている。
このトゥインゴGT、日本におけるファーストエディションとなる200台限定車の価格は2,240,000円。来年年明けには5速MTだけではなく6速DCTもラインアップし、カタログモデルとして販売するというが、この仕様が気に入り1日も早く乗りたければ、すぐにでもルノーディーラーへ行くべきだろう。