それが「LM002」である。そして、その原点となるのは、1970年代に開発された軍用オフロード車の「チーター」。当時、ランボルギーニのエンジニアを務めていた、ジュリオ・アルフィエリが1981年にこのプロジェクトを復活させ、リヤエンジンという革新的なコンセプトのLM001を開発し、その後パワートレインを前方に配置したプロトタイプのLMAと続いた後、1986年のブリュッセル・モーターショーで「LM002」がデビューした。しかも最終的に搭載されたエンジンは、カウンタック・クアトロバルボーレと同一のV12ユニットである。
このLM002は、アルミニウムとファイバーガラス製の車体に四輪駆動トランスミッション、トランスファー、3つの自動式デフロックを備え、200km/h以上の最高速度を実現しながらも、120%を超える勾配にも対応した、当時でも珍しいほどの怪物的存在。専用タイヤ(特別に開発されたピレリ社スコーピオンタイヤ)を装着することにより、砂の上でも走行できるうえ、高温の中においても優れた耐久性を見せた。車体はスペインのビルバオ近くの会社で生産され、半分組立された状態でサンタアガタ・ボロネーゼに送られた後、パワートレインなどの機械部品と組立て、仕上げや検査を経て出荷された。
発売当時、スーパースポーツカーにも引けを取らない性能や高度なオフロード性、しかも圧倒的な存在感で高い注目を集めたことから、1986〜1992年の間に合計300台が生産された。
12月4日にデビューする「ウルス」も、そのLM002と同様に卓越したパワーとトルク、独特のデザインと際立った存在感で、唯一無二の“スーパーSUV”カテゴリーを開拓するはずだ。ウルスは、抜群の走行性能に、パフォーマンスはもちろん、ラグジュアリー性を強調しながら、LM002と同様に、砂地を含むオフロードにおいても卓越した性能を発揮すると、ランボルギーニは主張している。