豊田合成は、2016年9月末にLEDの生産を休止した佐賀工場において、自動車の安全性向上に貢献する「ミリ波レーダ対応エンブレム」と「エアバッグ用ガス発生装置」の生産を開始すると発表した。

ミリ波レーダ対応エンブレムは、安全運転支援システムに用いられるミリ波レーダの電波を遮らない特殊なエンブレムであり、自動運転技術の拡大にともない搭載が伸びている。




自動車や歩行者を検知するための車載用センサーのひとつであるミリ波レーダーは、車体正面のエンブレムの内側に設置されるケースが多い。そのため、ミリ波レーダーに対応するエンブレムは電磁波を透過する必要がある。また、自動車エンブレムは、光沢や色彩などの意匠性も高い。




現在、ミリ波レーダーに対応するエンブレムは、インジウムを蒸着させる手法で電磁波透過膜を成膜しているが、希少金属であるインジウムは特性上成膜が難しく、コストや歩留まりの課題が残る。




そのため近年では、素材の表面に特殊な塗料を使用した、新しい電磁波透過膜の成膜技術の開発に注目が集まっている。




また、エアバッグ用ガス発生装置は、世界各地域での安全規制の強化にともなうエアバッグの生産拡大により必要数が増えている。



エアバッグ用ガス発生装置
佐賀工場の外観


情報提供元: MotorFan
記事名:「 豊田合成、佐賀工場でのミリ波レーダー対応エンブレムなどの生産を開始