ーこれはCHERYのTIGGO。僕(鈴木慎一MotorFan.jp編集長)ね、これ今回のベストというか、僕的にはカッコいいなって思ってるんですよ。
難波:いいですよ。それに本当にベストと言っていいかもしれない。バランスがいいのとスタンスがいいのと、またジャンルとしてね、乗用ベースのちょっと車高を上げたクルマがいまたくさん流行っていてXUV(クロスオーバーSUV)としていま、大いに売れているんですけど、それを最初からオリジナルで考えた感じがしますから、非常に力強くて、スポーティで、どこでも走りそうでって感じがしまして、いいですね。ただ、いろんなモチーフは売れ線のモチーフの持ち寄りです。ですから、それはそれでまた、うまい! 技がうまい!って感じはしますけどね。
ーこれも日本人のデザイナーが絡んでるんですか?
難波:これ? チェリーでしょ?
ーチェリー。中国メーカーです。
難波:東京にもチェリーの大きなスタジオがあるんですけど、これ誰がやったのか聞いてないですね。知らないなぁ。でも、そうかもしれないですね。内装も特にとりたてて、テーマとしてはまったく新しいところはないです。いままでいくつも、こんなような内装のショーカーは見ましたし、それから観音開きのドアも特に新しいことはないです。けれど、でも、まあ、いいかな。外観はかなりバランスいいですよ。プロポーション綺麗だし、ちゃんと踏ん張ってるし、この手のクルマとしてはスポーティでかつ力強いんで、かなりいいですよね。
ーこれがチェリーだと思うとびっくりなんですけど。
難波:そうですよ。本当にそうですね。チェリーのマークってヒュンダイに似てますね。ヒュンダイもこんな、あ、違う大宇だ、大宇。
ーえーっ、アキュラじゃないですか?
難波:(人の話を聞いてない)で、ちゃんとフードのパワーバルジから行くキャラクターだとか、それから、このフロントグリルも、今年出たエクシードってやつだっけ、あれちゃんとやってるでしょ。だから、わりとちゃんとブランド訴求、量産車のフォローアップちゃんとできてるっていうか、ブランドとしてのコンセプトカーとして、そこを欠かしていないので、偉いですね。これ意外とカッコいいですよ、本当に。妙にウェッジ効かせてやり過ぎてないし、最低必要源なキャラクターで構成されてる気がするじゃないですか。
ー結構丸いじゃないですか。こういうところとか。でも、そんなにぼやけた感じがしないというか。
難波:だから、それはちゃんとフェンダーとかドアとかのエッジラインがすごく効いているんですよ。それから、本当は分厚く見えるところをホイールアーチ周りの黒いパーツでちゃんと軽々しく見せている。これは、いい手法なんですけど、でもじつはこれはスバルのXVがやったやり方です。でも、カウルからベルトライン一回下がって、ずーっとあがっていく感じは、やっぱりいいですよね。ちゃんと視界を確保しながら。うん。うまいっすよ。これ。プラスとマイナスの感じ。凸とネガっていうか。その感じもすごく綺麗です。
ーCピラーのあのよくわからないのが……。
難波:あそこはまあ、最近ルノーの、あったでしょ(注:ルノー トレゾアのこと。2016年のパリ・サロンで登場)。あんなものとか、ちょっと幾何学的なとこ使いたくなるんじゃないですかね。
ーでも、背は低いけどSUVっぽくも見えるし。
難波:そう。スポーツSUVっていうかな。これまったく、本当にこのぐらいのことを日本の自動車メーカーにバシッとやってもらいたいですね。
ーそうですね。レンジローバーイヴォークが初めて出たとき、こんなの見たことなかった、みたいなのにちょっと近い感じが、そんな感じしました。
ホール8を立ち去る際に、レクサスのブースで立ち止まってLSを見て、黙って歩いていった難波さん。レクサスLSはどうなんですか?
次回は、サンダーパワーをお届けします。サンダーパワーってそもそもなんだ?