コンパクトな車体にパワフルなエンジンを搭載し、通勤快速スクーターとしての代名詞としてもお馴染みのアドレスV125/S。かねてから新型の登場が噂されていた同シリーズが、遂にヴェールを脱いだ。9月29日発売、22万1400円。

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 アドレスV125と言えば、50ccクラスに匹敵する車格と、小回りの利く10インチホイール、パワフルな4スト124ccエンジンが武器の2種スクーターだ。これらによって“渋滞もなんのその”な優れた機動力を誇るロングセラーモデルだ。2005年の初代モデルが発売後、2009年にデザインを変更し「アドレスV125S」として生まれ変わったが、この際はエンジンユニットの変更はなし。

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 しかし、今回発表された新型アドレスは、平成28年排ガス規制に対応させるべく新設計エンジンを搭載し、さらにボディデザイン、足周りまで一新された。




 開発コンセプトは“毎日の生活を支える、スタイリッシュスクーター”。この車両のために新設計された124cc空冷2バルブ単気筒SOHCエンジンは、SEP(スズキ・エコ・パフォーマンス)の理念にのっとり、低フリクション、低燃費を実現。


 タンブル流を作り混合気をくまなく分散させる燃焼室形状&吸気ポート形状や、スキッシュエリア形状もこの吸気ポートとの相性に優れる“新開発M-スキッシュ”を採用。これに加えて、狭角バルブの採用による高い高圧縮化や、低張力薄型ピストンリングによるフリクションロスの低減など、さまざまな技術が盛り込まれている。


 また、駆動系は、このエンジンに合わせて実用速域で低回転化する設定に。燃費性能を向上するのが本来の狙いだが、加速力もアドレスV125Sより大幅に強化。メディア向けの説明会ではアドレス125とアドレスV125Sが並走する動画も公開され、実際にアドレス125が圧倒する結果だった。

12インチに大径化された足周り。ブレーキキャリパーにはニッシン製の片押しタイプを採用する。

大径丸パイプを採用するメインフレームも従来とは異なる設計。コンピューター解析によるシミュレーションと、実走行を重ねることで、高い剛性と軽量化を実現。これに組み合わせるフロントフォークはインナー径φ31と125ccクラスのスクーターには十分なサイズ。タイヤサイズも10インチから12インチ(チェンシン製)に大径化されており、安定性とコーナリング性能が高められている。




やや丸みを帯びたボディデザインは、日常使いを意識してシンプルなイメージにまとめられていて、ヘッドライトやウインカー、テールランプのバルブはLEDを採用しないことで、コストを抑えている。


フロントのインナーラックは左右分割式で、それぞれに600mlのペットボトルを収納することができる。その一方で、シート下のトランクスペースは約18Lとやや小ぶりな設計だが、ヘルメットホルダーがあらかじめ2個設けられているため、フルフェイスなどはここに掛けることができる。




今回のモデルチェンジに伴い、名称は「V(ヴィクトリーから由来)」の文字が外れ、「アドレス125」となったことも、より親しみやすいカジュアルなスクーターであることを意味しているのだと言えるだろう。発売は9月29日から。アドレスV125S比で約3万5000円ダウンとなる22万1400円というプライスも魅力だ。

足着き性に優れるカットフロアボードを採用。
フラットデザインのシート。リヤキャリアも標準装備する。


フロントインナーラックには600mlのペットボトルが収納できる。
シート下収納の容量は約18L。


シンプルなメーターユニット。速度は120km/hまで表示。
サイドスタンドは格納し忘れ時に走行を抑止する「インターロック機構」付き。


情報提供元: MotorFan
記事名:「 遂に出た! V125の後継機 【アドレス125】