現在のところ、供給先は未定ということだったが、世界的に高性能SUVのマーケットが拡大している。重量級のスーパーSUVをしっかり支えるストッピングパワーということで、新開発の10ポット対向ピストン・キャリパーのニーズは今後もあると予想して開発したのだろう。
JR東日本の新幹線E5系「はやぶさ」用のブレーキライニングも曙ブレーキが供給している。新幹線は最高速度から4km以内にメカブレーキだけで停止できることが求められる。最高速度320km/hのはやぶさのために、等面圧ディスクブレーキライニングが装着されている。
等面圧ディスクブレーキライニングは、ディスクローターにライニングを均一な力で押し付けることができる機構を備えた、新しいタイプのライニングだ。それぞれのパットが微妙に動くことで高い制動性能を発揮する。ライニングには分割した焼結合金を使用。材料には環境負荷の少ない物質を用いている。