またKaバンドサービスは、2015年から開始した第5世代通信衛星によるグローバルエクスプレス(Global Xpress)システムをさらに向上させる。このKaバンドにより、需要が大きい地域においても高度な通信能力を発揮し、グローバルカバレッジを強化させる計画だ。
インマルサット社のルパート・パース(Rupert Pearce)CEOは、次のように述べている。
「Inmarsat-6 F1衛星の打上げに、三菱重工とH-IIAロケットを選定したことを喜ばしく思います。当社の戦略において、打上げ輸送事業者との協業体制は特に重要であり、その協業関係を拡充、多様化できるよう常に努力をしています。三菱重工はH-IIAロケットを用いて、世界水準の打上げ輸送サービスを提供してくれると信じています」
「新型ロケットH3の開発に見られるように、三菱重工がイノベーションを追求する企業であるのは明らかです。これは我々が当社のパートナーに求めることであり、打上げ輸送事業を担う当社パートナーの一員として、三菱重工との長く実りある関係に期待しています」
一方、三菱重工 宇宙事業部長の渥美 正博は、次のように抱負を語っている。
「移動体通信業界のリーディングカンパニーであるインマルサット社に、今回当社の打上げ輸送サービスを選んでいただけたことを光栄に思います。今回の決定については、これまで当社が大切にしてきた高い信頼性とオンタイム打上げの実績、さらにそれを支える技術力が高く評価されたものと理解しています。打上げに向けて顧客の期待に応えられるよう、これまでと変わらぬ『おもてなしの心』で今後具体的な調整・準備を進めてまいります。さらに、今回の輸送サービスが現在開発中のH3ロケットによる打上げ輸送サービスへとつながるよう、インマルサット社との末永い良好な関係を築いていきたいと存じます」
三菱重工の打上げ輸送サービスは、打上げ成功率約97.6%に加えて2005年以降35回連続成功という高い成功率を誇り、そして定刻打上げにより、高い顧客満足を実現している。H-IIAの後継機となるH3ロケットは現在、国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工が共同で開発中。H3初号機は2020年の打上げを計画し、このH3は価格を含めた顧客満足度を向上させた打上げ輸送サービスを可能とする。