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身の程知らず、分不相応といえばそれまでですが、ディーラー、街の中古車販売店を含め、20代のころはずいぶん悔しい思いをしました(筆者だけでなく、同様の経験をした方は意外に多いようです)。いま振りかえってみると相手の事情は分からなくもないのですが、クルマを販売する側の立場で考えると「買うつもりもない」「そもそも買えるわけがない」ユーザーを相手にしている時間はないのですから、当然といえば当然です。
とはいえ、数々の悔しい思い出のなかでいまでも忘れられないのが、20代そこそこでとある輸入車ディーラーに行ったときのこと。そのメーカーの看板モデルを試乗させてもらえることになったんですが、試乗中、ふとルームミラーを見てみると、お目付役のセールスが「家でお父さんがテレビを観ているときのように」顔に肩肘をついてリアシートでゴロ寝。ルームミラー越しに筆者と目線があうとさすがにきちんと座り直していましたが…。
いまでもときどきあのときの光景を思い出しますが、何度思い出しても悔しさがこみあげてきます。とはいえ「自分にはどう逆立ちしても買えるわけがないのに、無理いって乗せていただいている立場」ですから文句はいえません。ちなみにそのディーラーは取り壊されてしまい、影も形もありません。
年齢を重ねるに連れて、ディーラーの対応が少しずつ変わってきたなと実感する機会が増えてきたのは、筆者の場合は30代になってからでした。
※振り返ってみると、長期ローンを組んで初めて新車でクルマを購入した(ゴルフ5 GTI)のは32才のとき。独身だからできた無謀な決断であったことはいうまででもありません