アイヌ文化を楽しみながら学べるウポポイ・国立アイヌ民族博物館って? 見どころやアクセス方法、バスツアーを紹介
目次
入場口~エントランス棟・レストラン
西エリア(体験交流ホール)
東エリア(工房・伝統的コタン)
国立アイヌ民族博物館
ウポポイへのアクセス方法
ウポポイへ行くバスツアー
ウポポイ(民族共生象徴空間)はどんなところ? 施設の見どころ
2020年7月にオープンした「ウポポイ(民族共生象徴空間)」は、自然豊かな白老町でアイヌ文化を楽しみながら学べる施設です。こちらはアイヌ文化の復興・発展のための拠点であり、先住民族を尊重し、差別のない社会を築いていく象徴空間として整備されました。
北海道各地のアイヌの方がスタッフとして運営に携わっており、様々なアイヌ文化を体験できる施設です。
ウポポイの主なエリア
ウポポイの有料エリアは、体験交流ホールがある西エリア、国立アイヌ民族博物館がある博物館エリア、アイヌの伝統的な住居や工芸品を見学できる東エリアの3つに分かれています。西エリアから東エリアの移動は最大で約640メートル。ゆっくり歩いて10分といったところ。
エリア間の移動が多くなると思いのほか時間を取ってしまうので、西エリア→東エリア→国立アイヌ民族博物館の順で見学すると良いでしょう。
また、私のおススメはHPで各種体験やシアターでの講演内容を確認した上でなるべく早い時間に入場し、自分が体験したいと思うプログラムの予約を取ってしまうことです。また2022年9月現在、国立アイヌ民族博物館は事前予約制になっているので注意してくださいね。
それでは、施設を解説していきますね。
入場口~エントランス棟・レストラン
ウポポイの入場口ではウポポイのPRキャラクター、トゥレッポんがお出迎え。アイヌの食文化において重要な役割を持つオオウバユリ(トゥレップ)をモチーフにした、可愛らしいキャラクターですよ。
カフェ・レストラン
入場ゲート近くには、カフェやレストランがあります。主な飲食店は無料エリアにあり、北海道ならではの食材を用いた本格的なレストランからスイーツ類を楽しめるカフェ、軽食やアイヌ料理が楽しめる店舗もありますよ。
カフェ リムセ
- 住所
- 白老郡白老町若草町2-2-1 民族共生象徴空間ウポポイ 歓迎の広場
- TEL.
- 0144-85-2177
- 予算
- 朝昼~¥999夜~¥999
- 営業時間
- 9:00~ウポポイ閉園時間(L.O.閉店30分前)
- 定休日
- ウポポイの閉園日
その他にも、以下のようなカフェ・レストランがあります。
焚火ダイニング・カフェ ハルランナ
- 住所
- 白老郡白老町若草町2-2-5
- TEL.
- 0144-84-6545
- 予算
- 朝昼¥3,000~¥3,999夜-
- 営業時間
- 平日 11:00~18:00(LO 17:30) 土日祝 11:00~20:00(LO 19:30) ランチタイムは11:00~15:00
- 定休日
- 月曜
ヒンナヒンナキッチン 炎
- 住所
- 白老郡白老町若草町2-3 民族共生象徴空間ウポポイ エントランス棟 1F
- TEL.
- 0144-84-8631
- 予算
- 朝昼~¥999夜-
- 営業時間
- [月~金] 9:00~17:00 [土・日] 9:00~20:00
- 定休日
- ウポポイの閉園日
入場ゲート
そしてこちらが入場ゲート。近くには券売所、インフォメーションセンター、お土産屋などがあります。奥に見えるのが国立アイヌ民族博物館ですが、こちらは20時まで営業しているので最後に見学しましょう。入場ゲートを通過したところに、体験交流ホールで見学できるプログラムが張り出されているので要チェック!
西エリア(体験交流ホール)
西エリアに向かってすぐに目に入るのが、体験交流ホールです。
こちらでは1時間おきに「アイヌ古式舞踊」や伝統楽器の演奏を楽しめます。プログラムの内容は4パターン、その他にもアイヌ神揺を元にした短編アニメーションも上映されています。
前もって、ホール横の建物で整理券を入手してくださいね。
館内では日本語だけでなくアイヌ語も共用語となっているので、至る所でアイヌ語を見かけます。ちなみにウポポイのスタッフには、その人らしいエピソードにちなんだアイヌ名がつけられており、スタッフ同士はアイヌ名で呼び合うそう。
スタッフとすれ違う際には決まって「イランカラプテー!(こんにちは)」とアイヌ語で挨拶されるので、最初はどう返していいものか戸惑うかもしれません。でもきっと、帰る頃には「イランカラプテー!」と挨拶できるようになりますよ。
体験交流ホール前には、映像体験プログラム「カムイ アイズ」の上映施設があります。
こちらでは、アイヌとつながりの深い動物(カムイ)目線で、北海道の大自然を広角映像で楽しめますよ。
その他西エリアには体験学習館もあり、アイヌ伝統楽器の演奏や、アイヌ料理の調理などを学べます。私が訪れた日は既に予約いっぱいでした…。有料のアイヌ料理体験は、3日前の予約が必要なので要チェック!
東エリア(工房・伝統的コタン)
西エリアを満喫したら、湖畔を反時計回りに歩いて東エリアに向かいましょう。あいにく私は見逃してしまったのですが、10時と13時の1日2回、ポロト湖に丸木舟を浮かべて操船の実演や解説を行なっているそうですよ。
工房
工房では伝統的なアイヌ文様の刺繍や、木彫り作品を見学できます。工芸家が常駐し、刺繍や木彫りの様子を実演しているので、気になる事があったら気軽に声をかけてみてくださいね。
伝統的コタン
工房の奥に建ち並ぶのがアイヌの伝統家屋、チセ(住居)です。その周りには高床式の倉庫や、子熊を飼うための檻なども展示されています。
チセ(住居)内部では、昔の生活様式を見学できます。中央には囲炉裏があり、家具や民具も展示されていますよ。
また、チセ(住居)内部では楽器体験や紙芝居などのイベントも開催されます。中でも囲炉裏の縁を拍子木で叩いてリズムを取りつつ、歌にのせて語られる「カムイユカラ(アイヌに伝わる叙事詩)」は聞きごたえあり!
チセ(住居)の外では、先端を尖らせていない弓矢を的に向かって撃つ体験もできます。
見ていると、まっすぐ遠くまで飛ばすにはコツが必要そうでしたよ。
国立アイヌ民族博物館
工房やアイヌコタンの見学を楽しんだ後は、国立アイヌ民族博物館に向かいましょう。1階にはお土産コーナーやカフェ、17時まで営業している図書館があります。図書館では、アイヌや世界の少数民族に関わる書籍を閲覧できますよ。
個人的には、こちらの図書館でアイヌの絵本を読んでみるのがおススメ。アイヌの生活様式や、神話などからアイヌならではの価値観を読み取った上で博物館を見学すると、より理解を深められるでしょう。
博物館の2階が展示スペースになっているので、エスカレーターで上がりましょう。2階のパノラミックロビーからは、ポロト湖を一望できますよ。
常設の基本展示室では、アイヌ民族のことば・文化・歴史について学べます。
こ、これは北海道やアイヌ文化を舞台にした大人気コミック「ゴールデンカムイ」で見た罠…! 他にもゴールデンカムイ内に登場した民具が沢山展示されているので、ファンにはたまりません。
かつて行われていた、イヨマンテと呼ばれる儀礼の様子を表した展示です。当時の映像で、アイヌの儀礼を垣間見ることもできますよ。
13時頃に入場した私ですが、退場したのは閉館時間近く。国立博物館内にはシアターや特別展示場などもありますが、ここでタイムアップ。ほぼ半日をかけてたっぷりとアイヌ文化に親しみました。帰りにお土産屋に寄ってみましょう。
私がお土産屋で気になったのは、オハウなどのアイヌ料理のレトルトです。ウポポイ見学に夢中になって、うっかりアイヌ料理を食べ損ねた人は要チェック!
豊かな精神世界を持ち、自然と共存しながら暮らしてきたアイヌの人たちですが、明治以降の同化政策により、文化の維持がままならなくなったり、差別を受けたりした悲しい歴史があります。ウポポイをきっかけに、色々な民族や文化の多様性について触れ、理解を深めていきたいですね。
ウポポイ(民族共生象徴空間)
ウポポイへのアクセス方法
ウポポイの見どころを紹介したところで、札幌市内から公共交通機関で現地に向かう方法について説明しますね。
電車+徒歩
電車でのアクセス方法は普通列車と特急の2パターンありますが、いずれもウポポイのある白老駅で降車します。普通列車だと、JR札幌駅からJR千歳線に乗車し、苫小牧でJR室蘭本線に乗り換えて約2時間。料金は片道2,100円です。
少し急いで白老駅まで向かいたい人は、「JR特急すずらん」を利用する手もあります。特急を利用した際の所要時間は約1時間。特別料金が加算されて、片道3,250円です。いずれかの手段で白老駅に到着したら、北口から徒歩でウポポイに向かってください。距離にして約500メートル。徒歩約10分で到着です!
高速バス
乗り換えなしでウポポイに向かいたい!という人は、札幌駅前から登別温泉方面に向かう「高速おんせん号」が便利です。札幌駅前からウポポイまでは所要時間約1時間50分で、片道2,200円。始発出発の2時間前までに予約が必要です。
2022年9月現在、「高速おんせん号」の始発便は運休、最終便である第2便はウポポイを通過します。そのため、電車+徒歩で行くか、バスツアーを利用するしかありません。
ウポポイへ行くバスツアー
ウポポイ以外の観光施設も見て回りたい!という人にはバスツアーもおすすめ。移動手段が確保されていて、ランチがつくバスツアーもあるので効率よく観光できますよ。
以上、1日たっぷり遊べて学びも得られるウポポイの魅力や、アクセス方法について紹介しました。今後、北海道旅行を考えている方は、参考にしてみてくださいね。
(為平千寿香)