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「100万ドルの夜景」というフレーズには諸説ありますが、元をたどると神戸の六甲山の夜景から来ているそうです。
約70年前、当時の電力会社の方が、六甲山の山頂から神戸を見下ろしたときに見える電灯の電気代がおよそ1か月で100万ドルであったことから、100万ドルの夜景と呼ぶようになったそうです。
このフレーズが全国に広まり、神戸の夜景以外でも綺麗な夜景を指して「100万ドルの夜景」という言葉が使われるようになりました。
今回は大変アナログでシンプルなオリジナルの方法で計算します。
日本三大夜景の一つと言われている函館市函館山で計算例を紹介します。約70年前の電力会社の方が1か月の電気代を基に価値を算出したので、電気代を調べ、そのうち照明の代金を計算してみました。
函館山の場合、ほぼ函館市と北斗市の電気代と考えて良いでしょう。照明には住居の光だけでなくオフィスや工場、イルミネーション、函館市の場合は漁火などもありますが、今回は計算を簡単にするため、全て住居の光と仮定します。さらに、函館市と北斗市に住む人を全て単身世帯と仮定します。日本の一人暮らしの電気代は1か月あたり平均約6,808円。一般的には電気代のうち約10%を照明代に使用していると言われているので、照明代は6808×0.1=約681円となります。函館市と北斗市の人口の合計は約28万人なので、681円×28万=約1.9億円となります。
1ドル150円とすると、この計算方法で求めた函館山の夜景の価値は127万ドルとなります。電気代だけで夜景の価値が決まるわけでは無いと思いますが、函館山の夜景は100万ドル以上の価値があると言って良さそうです。
先ほどの計算方法を用いて、日本三大夜景といわれる函館の函館山、神戸の摩耶山、長崎の稲佐山の夜景の価値を計算していきます。図は三大夜景の見える範囲、人口、そして夜景の価値を示しています。
計算方法を説明した時点でもうお気づきかもしれませんが、この計算方法だと人口が多いほど夜景の価値が高くなります。そのため神戸の夜景が2800万ドルと大きい額になっています。神戸の摩耶山は、他の地点に比べて山の標高も高く広い範囲を見渡せるので、その分電気代がかかるとも考えられますね。
展望台から見えない照明もありますし、照明によって消費電力も様々ですから一概には言えませんが、1か月の照明代に換算すると、その夜景を作るためにこのくらいの照明代が必要ということが分かりました。
今回の計算結果は、夜景の価値の中でも一部分を数値化したものです。夜景には他にも数値に表すことが難しい素敵な価値がたくさんあります。今回の夜景の価値を参考にしながらも、みなさん自分に合った夜景の指標を是非、見つけてみてください!
動画解説:植田純生