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3月中旬は、宵の西の空に注目してみましょう。13日から14日にかけて、繊細な細い月がマイナス2.2等からマイナス2.1等で輝く木星に近付き、美しい眺めとなります。13日は月齢3の月が木星より低い位置に見え、14日は月が木星より高い位置に移動します。
15日には、月齢5の月のすぐ下にプレアデス星団(すばる)が接近して見えます。この頃、地球で反射した太陽光に照らされて月の欠けている部分がうっすら光る「地球照」も観測できるでしょう。プレアデス星団から下の方に目を移すと木星の姿もあります。
4月に入ると、木星は太陽に近付いて見えにくくなり、5月中旬には太陽と同じ方向に位置する「合」を迎えて観測できなくなります。 再び見ることができるは6月下旬頃から。明け方の東の空で、美しい姿を見せてくれます。
太陽系の惑星のなかで、最も内側を公転している水星。そのため、見かけの位置が太陽から大きく離れることがなく、観測できる時期は太陽から見かけの位置が離れる「最大離角」前後に限られます。
25日に「東方最大離角」を迎える水星は、日の入り直後の西の低空で観測のチャンスを迎えます。特に19日から30日にかけては、日没30分後の高度が高くなります。左上方に輝く木星を目印にして、水星を探してみましょう。低空での現象となるため、西の空が開けている場所から観察したいですね。
25日の満月は、日本では広範囲で「半影食」の状態で地平線から昇ります。食の最大は16時13分頃、半影食の終了は18時32分頃になります。通常の「月食」は、月が地球の濃い影(本影)に隠されますが、地球の淡い影(半影)に隠されるのが「半影月食」です。今回は月の出直後に食が終わり、半影は薄い影になるため肉眼ではわかりにくいかもしれません。
3月の満月は「ワームムーン(Worm Moon、芋虫月)。名称は、ネイティブアメリカンが毎月の満月に付けていた名前に由来します。二十四節気では、2024年は3月5日が「啓蟄(太陽黄経345度)」となります。春の気配に虫たちが土のなかから顔を出す頃。「啓」には「開く」という意味があり、「蟄」は、虫などが土中に隠れ閉じこもる様子をあらわしています。「ワームムーン」という名称からは、「啓蟄」に通じる自然への眼差しが感じられますね。昼よりも夜の時間が長い日が続いていましたが、20日の「春分(太陽黄経0度)」を境に逆転、日に日に昼間が長くなっていきます。
◆2024年「春彼岸」
・彼岸入り:3月17日
・中日(春分の日):3月20日
・彼岸明け:3月23日
・参考文献
『アストロガイド 星空年鑑 2024』 アストロアーツ
・参考サイト
国立天文台「ほしぞら情報2024年3月」