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今年の「冬至」の夜空の一番のお楽しみは、月に木星が寄り添うように近づき動くようすを見られることではないでしょうか。
今日の月の出は東京で13時頃、およそ20分おくれて現われる木星は、時間が経つにつれ少しずつ月に近づいていきます。
20時頃に南中した木星は、西へ進みながら次第に月に近づき、距離を縮めていきます。肉眼での観察は難しいので、双眼鏡などを積極的に使いましょう。長時間持っていると手振れなどで安定した視野を確保できなくなることがありますので、肘をどこかに当てるなど観察しやすい姿勢を工夫してください。
もっとも接近する時間は東京では22時頃ですが、場所によって異なってきます。
一番早い那覇で20時44分頃、福岡で21時19分頃、京都で21時46分頃、一番遅い札幌では22時20分頃となります。
もっとも接近する時間帯を過ぎると木星が月を追い越し、少しずつ離れていき、やがて西に沈みます。東京では23日の午前2時半過ぎ頃となります。
夜空を見上げたときに、先ず探すのは月! 毎日形を変えて現われる地球の衛星である月が太陽系の惑星のひとつである木星に近づき交差していく瞬間を眺める、なんとも雄大な気分が味わえる今年の「冬至」は貴重ではありませんか。
参考:
月が木星に接近(2023年12月) | 国立天文台
きらめく夜空から星座の主役の「オリオン座」を探してみましょう。
オリオンはギリシア神話で海の神ポセイドンの息子。美男子で狩りの名手。左手に毛皮の盾を持ち右手に持ったこん棒を振り上げた形で夜空に輝きます。
月が南の空高く昇った頃、後を追うように東の空から昇り、南中するのは東京で22日の23時頃となります。
「オリオン座」の目印となるのは「三ツ星」。先ずこれを見つけましょう。同じくらいの明るさの星が三つ並んでいるのを探してください。昇り始めは東の空の低い位置で縦に三つ並んでいますが、南に向かって昇っていくに従い横並びに見えるように。これがオリオンの腰にあたります。
次に一番明るく輝くアルファ星の「ベテルギウス」を見つけましょう。これはオリオンの右肩の位置になります。もう一つは左足となるβ星の「リゲル」。これは「三ツ星」の下の方になります。
これでオリオン座の基本の形がつかめましたか。「ベテルギウス」の肩から伸びるこん棒の先や毛皮の盾となる星の連なりも辿ってみましょう。
夜空に「オリオン座」が浮かび上がってきませんか?
≪星座群出そろひオリオン主役たり≫ 嶋崎専城
オリオンの輝きを担う「ベテルギウス」は、恒星のサイクルで言うと終末期となる「赤色巨星」。大きさはおよそ太陽の1000倍程、質量は約20倍に膨張しており、超新星爆発が予測されています。星の一生を終えようとしている最後の勢いのある明るい輝きなのです。とはいえ遠く離れた「ベテルギウス」の爆発が今起こったとしても、地球にいる私たちがそれを認識できるのは遠い未来。星の輝く空を支配する宇宙の摂理と時の流れは人間の枠を遥かに超えたところにあるようです。
参考:
『学研の図鑑 LIVE 星と星座』株式会社Gakken
冬至の日に柚子の果実をお風呂に浮かべて温まり、無病息災を祈る風習が「ゆず湯」です。「冬至風呂」とも言われます。人々が銭湯に行っていた江戸時代からこの風習は行われていたということです。
五月の菖蒲湯とならんで、植物の薬効で健康増進という行事湯の意味もあったのでしょう。そのまま家庭にもはいりほのぼのとした年末の習わしになっていきました。
≪柚子どもと衝突しつつ湯浴みせり≫ 相生垣瓜人
冬の夜空を眺めて冷えた身体は爽やかな柚子の香りのお風呂で、ホッと一息してください。
入浴はシャワーですませるという方もいるかもしれません。寒さの季節、たまには湯船にゆったりとつかり温まってみるのも、いつもとはまた違ったリラックス感を味わえそうです。
レジャー感覚で「ゆず湯」を楽しみに近所の銭湯へいくのもいいアイデアです。風邪予防の効果もあると言われている「ゆず湯」を満喫して冬至の〆としてみませんか。