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日の入り後の西の空で存在感を放つ2つの惑星、金星と木星。徐々に高度を上げる金星は、より輝きを増しています。一方、見頃の終盤を迎えた木星は日々高度を下げているため、2惑星の間隔は次第に近付いてきました。
3月2日には、満月の見かけ直径分を間に挟む距離程度まで大接近します。約マイナス4等の金星と、約マイナス2等の木星が並ぶ姿は、見応えのある光景となるでしょう。
木星は4月12日に、地球から見て太陽と同じ方向に位置する「合」となるため、間もなく見ることができなくなります。5月からは、夜明け前の東の低空に姿をあらわします。
夕暮れの空で明るく輝く金星に、地球照を伴った細い三日月が近付き、ひときわ美しい眺めとなります。
月が背後にある天体の前を通過し、隠すことを「食」、または「掩蔽(えんぺい)」といいます。今回は、九州の南西部から南西諸島にかけての地域で、月が金星を隠す「金星食」を見ることができます。
月の暗い影の部分に金星が隠れていく様子は必見。月が沈む直前の低空で起こる現象となるため、西から西北西の空が開けたところから観察しましょう。
◆各地の金星食の予報時刻:国立天文台「月が金星と接近、一部地域では金星食(2023年3月)」
宵の西の空に広がる「冬のダイヤモンド」のなかで赤く輝く火星。アルデバラン、ベテルギウスと共に、3つの赤みを帯びた星が三角形に並んでいます。
28日の日の入り後に、火星のすぐ右側に上弦直前の月が寄り添います。天空高く輝く月と、3つの赤い星に注目してみましょう。
火星と月が最も近付いて見えるのは、29日0時頃の深夜。その頃、火星と月は西の低空に移動しており、約1時間後に地平線の下に沈んでいきます。
夜半過ぎには、しし座やおとめ座といった春の星座が天高く上り、季節の移ろいを感じる頃となりました。
・参考文献
『アストロガイド 星空年鑑 2023』 アストロアーツ
・参考サイト
アストロアーツ「2023年3月の星空」
国立天文台「東京の星空・カレンダー・惑星(2023年3月)」