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一年のうちで最も大きく見える満月。このような満月のことを「スーパームーン」と呼ぶことがあります。
月の公転軌道が楕円であるため、軌道上のどこで満月になるかによって、見える月の大きさが変わります。月と地球の距離は約36万kmから40万kmの間で変化しています。接近するタイミングと満月になるタイミングが近いと、月が大きく見えるのです。
2022年は、7月13日の18時6分頃に月が地球に約35.7万kmまで最接近し、14日3時38分頃に満月となります。そのため、13日の宵から14日明け方にかけての満月がスーパームーンとなります。今年最小の満月だった1月18日未明から明け方の月と比べると、見かけの直径が約12%変化しています。
真夜中にひときわ明るく輝く2つの惑星、土星と木星に注目してみましょう。南東の空には0.5等前後の明るさの土星、東の空には一段と強い輝きを放つマイナス2.5等前後の木星が見えています。
7月15日から19日にかけての深夜、離れて並ぶ土星と木星のそばを月が通り過ぎていきます。15日には、前日に満月をむかえた明るい月が土星と並びます。月は東へと移動しながら欠けていき、19日には下弦に近い月が木星の東側を通り抜けます。
下旬になると、細い月が金星に近付いて美しい光景となります。26日の夜明け前、月は金星の上方に見え、27日になると金星のすぐ北側(左)に並んで見えます。
21日深夜、東の低空で昇ってくる月が火星を隠す「火星食」が起こります。月の明るい縁に0.3等の火星が潜入して隠され、暗縁から出現してくる様子が見られます。とても低い高度での現象となるため、東の地平線に障害物がない、視界がひらけた場所から観察しましょう。双眼鏡や望遠鏡を使うのもおすすめです。
今回の火星食は月の出の前後に起こるため、各地で見られる現象が異なります。関東の大部分から中部、近畿、中国、四国の各地方では、火星が月に隠れた状態で昇ってきます。そのため、地平線上で見ることができるのは出現のみになります。北東側では、月が昇ってから火星の潜入が起こり、全経過を観測可能な地域も。九州から西の地域では、火星の出現後に月の出となり、食は見ることはできません。月と火星の「大接近」を楽しみましょう。
国立天文台「ほしぞら情報 火星食(2022年7月)21日深夜の火星食 各地の経過
・参考文献
『アストロガイド 星空年鑑 2022』 アストロアーツ
・参考サイト
国立天文台「ほしぞら情報」
アストロアーツ「2022年7月14日 スーパームーン