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紫外線を浴び続けると、人体にさまざまな悪影響を及ぼすといわれています。
ここでは、紫外線がもたらす肌へのダメージや、想定されるリスクを3つのポイントにわけて解説します。
■1.日焼け・シミ
紫外線を浴びると、皮膚の炎症、いわゆる「日焼け」が発生します。[注1]
日焼けには、赤みと痛みをともなう「サンバーン」と、その後に皮膚が黒くなる「サンタン」の2種類があります。
サンバーンは紫外線を浴びてから数時間後を目安にひりひりとした痛みをともない、場合によっては水ぶくれができたり、皮がむけたりすることもあります。
サンバーンは2~3日くらいで自然に消失しますが、大量の紫外線を浴びると、メラニン色素の影響で数週間~数ヶ月にわたって肌が黒ずみます。
メラニン色素は本来、紫外線のダメージから皮膚を保護する役割を担う物質ですが、シミ・くすみの原因となる褐色色素でもありますので、体内で大量に発生した場合はシミ・くすみとして長期間肌に残ることがあります。
■2.しわ
紫外線を大量に浴びると、光老化と呼ばれる慢性障害が発生する原因となります。[注2]
光老化が進むと、肌のハリ・ツヤのもとになるコラーゲンやエラスチンといった弾性繊維が破壊され、しわやたるみができやすくなります。
■3.皮膚がん
紫外線は、波長の領域などによってUV-A、UV-B、UV-Cの3つに区分されます。
このうち、UV-Cは空気中の酸素分子とオゾン層にブロックされるので地表までは届きませんが、UV-AとUV-Bはオゾン層をすり抜けて地表にまで到達します。
特にUV-Bは、その大半がオゾン層で遮られるため、UV-Aに比べると地表に届く量は少なめですが、皮膚細胞のDNAを傷付ける作用があり、皮膚がんの原因のひとつに数えられています。[注1]
紫外線は太陽光線に含まれているため、時間帯によって紫外線の強さは大きく異なります。
最も紫外線量が多くなるのは、太陽が最も高い位置に来たときで、おおむね正午前後です。
正午頃にピークを迎えた紫外線量は、その後、時間の経過と共に減少し、日没を迎えるとほぼ0に近い状態になります。
日中でも、日が傾き始める15~16時頃には、紫外線量はピーク時のおよそ半分程度まで減少します。
夜が明け、再び日が昇り始めると同時に、紫外線の量もだんだんと増加し、朝9時頃には15~16時頃と同じくらいの紫外線量になります。
なお、紫外線がもたらす人体への影響度合いを総合的に評価した国際的指標「UVインデックス」では、紫外線の強さは0~11+で表されます。
UVインデックスと、紫外線の強さの関係性は以下の通りです。[注1]
・1~2:弱い
・3~5:中程度
・6~7:強い
・8~10:非常に強い
・11+:極端に強い
このうち、特に対策せずに過ごせるのは「弱い」にあたる1~2で、3以降は日焼け対策を行うことが推奨されています。
紫外線の強さは地域や季節ごとに異なりますが、UVインデックスが3未満となるのは17時~翌7時くらいまでの夜間・早朝に限られますので、外出する際は基本的に紫外線対策が必要となります。
体は衣類でカバーすることが可能ですが、顔は太陽光や紫外線に対して無防備なままです。
夏はもちろん、春や秋冬でも、日中にお出かけするときは顔の日焼け対策を徹底することが大切です。
ここでは、顔の日焼け対策に有効な方法を3つご紹介します。
■1.日焼け止めを塗る
衣類などでカバーできない部分には、日焼け止めを活用するのが効果的です。
日焼け止めには、紫外線を吸収または散乱させるはたらきのある成分が含まれており、皮膚へのダメージを抑える効果が期待できます。
日焼け止めの効果は、主にUV-Bを防ぐ指標となる「SPF」と、主としてUV-Aを防ぐ指標となる「PA」によって表示されます。
SPFは20、30などの数字で示され、数値が高いほどUV-Bのカット効果が高くなります。
一方のPAは「+」で示され、数が多いほどUV-Aのカット効果が高いことを表しています。
SPFおよびPAの値が高いほど、優れたUVカット効果を発揮しますが、そのぶん肌への負担も大きくなる傾向にあります。
一般的に、散歩や買い物などの日常生活ならSPF10~20、PA+~++、屋外での軽いスポーツやレジャーならSPF20~30、PA++~+++、炎天下でのレジャーやマリンスポーツならSPF40~50+、PA+++~++++が適していると言われますので、シーンに応じて日焼け止めを使い分けることをおすすめします。
■2.日傘を差す
UVカット効果のある生地を使った日傘を差すと、頭上から降り注ぐ紫外線の影響を最小限に抑えられます。
日傘も日焼け止め同様、商品によってUVカット率が異なりますが、こちらは肌に直接塗るものではないので、UVカット率が高いものを選んだ方が日焼け対策には効果的です。
■3.帽子をかぶる
つばの広い帽子は庇の代わりになるため、顔に降り注ぐ紫外線の量をカットできます。
帽子を着用すると、顔だけでなく、眼の紫外線ばく露を20%程度減少できるので、眼への影響も防げるところが魅力です。[注1]
ただ、太陽から直接降り注ぐ紫外線は防げても、大気中に散乱している紫外線まではブロックできませんので、日焼け止めなどと併用することが大切です。
紫外線を浴び続けると、肌の炎症やしみ・くすみ・しわなどの原因になるほか、皮膚がんのリスクも高まるおそれがあります。
紫外線は日が昇ると同時に降り注ぎ、昼頃にピークを迎えた後、日が落ちるまで肌に影響を与え続けます。
早朝や夜間を除き、日中はしっかりした日焼け対策が必要ですので、日焼け止めや日傘、帽子などを上手に活用しましょう。
天気予報専門メディア「tenki.jp」では、人体に影響を与える有害紫外線量を計算し、紫外線の強さをランクで表す「紫外線指数」を公開しています。
「やや強い」レベルからは日焼け対策が必要ですので、お出かけ前にきちんと準備を行いましょう。
紫外線指数は10日先まで掲載されていますので、お出かけ計画にぜひご活用ください。
[注1]環境省:紫外線 環境保健マニュアル2020[pdf]
[注2]公益社団法人 日本皮膚科学会:光老化は普通の老化とどう違うのですか?