2021年も残りわずかとなりました。せわしない季節ですが、夕闇が迫る頃、ぜひ空を眺めてみましょう。ひときわ明るく輝く宵の明星や、一列に並ぶ3つの惑星に月も加わる美しい光景に、穏やかなひと時を過ごせることでしょう。三大流星群の最後を飾る「ふたご座流星群」が極大となり、今年最後の満月は「ミニマムムーン」。12月の天文現象も見所が多く、私たちを楽しませてくれます。


【12月10日】薄暮の空で、月と木星・土星・金星が競演

12月に入ってから、夕暮れの空に並ぶ金星・土星・木星の3惑星が目を引いています。「宵の明星」として輝く金星は、 4日に最大光度を迎え、マイナス4.7等になりました。その明るさは1等星の100倍以上で、日没前の青さが残る空の中でも肉眼で見えるほど。華やかに集合する3惑星の下を細い月が運行しており、10日には木星の左側に月が並びます。4つの天体がほぼ一直線に並ぶ夕空は、ひときわ美しい情景となりそうです。金星は19時過ぎには地平線の下に隠れてしまうため、日没から18時頃の空を眺めてみましょう。


【12月13~15日】ふたご座流星群が見頃!天頂から降る雪のような流れ星

三大流星群といわれる、しぶんぎ座流星群(1月)、ペルセウス座流星群(8月)、ふたご座流星群(12月)。一年を締め括るふたご座流星群は、冬らしい白色の流星がほとんどで、毎年安定して多くの流星を出現させます。
極大期に夜空の暗い場所で観測した場合、1時間あたりに40〜50個程度の流星が見られると期待されています。極大時刻の予測は14日16時頃ですので、日本では12月13日の夜から14日明け方にかけてと、14日夜から15日明け方にかけての2夜が見頃となります。最も多く見えると予測されるのは14日未明(13日深夜過ぎ)で、月が沈んで月明かりの影響がなくなる2時頃から明け方にかけての時間帯になります。深夜2時頃には放射点がほぼ天頂に位置するため、流れ星が真上から降ってくるように見えるでしょう。
流星は放射点を中心にあらゆる方向に向かって流れます。そのため、全天を広く見わたすことがポイント。続けて数個見えることもあれば、しばらく見えないこともあります。暗さに目が慣れるまで、15分ほどは諦めずに観察してみましょう。

画像提供:国立天文台


【12月19日】今年最後の満月は「ミニマムムーン」

12月の満月は、2021年で最も遠い位置にある「ミニマムムーン(マイクロムーンとも)」。最も近い満月「スーパームーン」は5月26日で、その時の満月と比較すると視直径で約12%小さく、約22%暗くなります。このような違いがうまれるのは、地球の周りを公転する月の軌道が楕円形をしているため。地球と月との距離は一定ではなく、さらに月の軌道は太陽や地球などの重力を受けて変化しているからなのですね。

12月の満月の別名は「コールドムーン」。月の満ち欠けとともに生活していたネイティブアメリカンが、毎月の満月に付けていた名前です。冬が訪れ、寒さが本格的になる季節。冷たく冴え渡る夜空は、月も流星もより美しく輝かせてくれそうですね。

・参考文献
『アストロガイド 星空年鑑 2021』 アストロアーツ
・参考サイト
国立天文台
アストロアーツ

画像提供:国立天文台

情報提供元: tenki.jpサプリ
記事名:「 「ふたご座流星群」が14日に極大!ラストを飾る12月の星空は、月と流星に注目しましょう