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洗濯物を部屋干しする際、湿気対策をおすすめするのには、大きく分けて3つの理由があります。
■1.洗濯物の乾燥効率が上がる
洗濯物の乾きやすさは、気温・湿度・風・日差しなどによって左右されます。湿度に関しては、低ければ低いほど乾燥効率が上がりますので、洗濯物を短時間で乾かしたいのなら、室内の余分な湿気を除去する必要があります。
■2.雑菌の繁殖を防げる
雑菌は多湿の環境を好むため、部屋の湿度が高い状態が続くと、雑菌が繁殖しやすくなります。雑菌が増えると洗濯物に嫌な部屋干し臭がつきやすくなるほか、天井や壁、床、家財などにカビが発生する原因になります。カビはアレルギー疾患や感染症を引き起こす要因にもなりますので、しっかり湿気対策をしてカビの発生を防げば、住む人の健康維持にも役立ちます。
■3.室内の快適性がアップする
室内の湿度が高すぎると、ベタつきや息苦しさといった不快感を覚えるようになります。室内の湿度は40~60%に保つのが理想とされていますので、湿度が60%を超える場合は、適切な湿気対策を行うことで、室内の快適性をキープできます。[注1]
[注1]東京都福祉保健局:健康・快適居住環境の指針[pdf]
洗濯物を部屋干しする際に実践したいおすすめの湿気対策を4つご紹介します。
■1.一番広い部屋に干す
狭い空間に洗濯物を密集させると、短時間で一気に湿度が上昇してしまいます。洗濯物はなるべく空間の広い部屋に干すと、湿度の上昇を防ぐことができます。
■2.除湿剤をセットする
空気がこもりやすい場所には、あらかじめ除湿剤をセットしておくと、多湿によるカビの発生を防ぐことができます。具体的には、クローゼットや押し入れの中、部屋の四隅などに設置すると、効率よく湿気を取り除けます。
■3.適度に換気する
扇風機やサーキュレーターを使っても、湿気を含んだ空気を循環させていてはあまり意味がありません。部屋干ししているときはこまめに窓を開けて空気の入れ換えを行い、湿気を含んだ空気を外に流すようにしましょう。雨風が吹き込んできて窓を開けられないというときは、換気扇を回したり、別の部屋に続くドアを開けたりするだけでも効果があります。
■4.除湿器を使う
除湿器を使うと、室内の余分な湿気をすばやく除去することができます。除湿器にはコンプレッサー式とデシカント式(ゼオライト式)の2タイプがあり、前者はエアコンのドライ機能と同じく熱移動によって除湿する方式を、後者は除湿材を通して湿度を吸収する方式が採用されています。デシカント式の場合、除湿材を電気ヒーターで暖めて乾燥させるため、除湿する際に温風が排出されます。気温が低い日は暖房代わりになって一石二鳥ですが、もともと気温が高い日や、室内が狭いor洗濯物の量が多い場合は蒸し暑くなる可能性がありますので、後述するエアコンのドライ機能を使うのがおすすめです。
部屋にエアコンがある場合は、ドライ機能を活用することで、簡単に部屋干し中の湿気対策を行うことができます。エアコンをドライモードに切り替えると、エアコンが湿気を含んだ空気を取り込み、内部の熱交換器によって熱を奪い、空気が冷やされます。空気は温度が高いほど多くの水分を含むことができるので、空気が冷やされると、抱え込めなくなった水分が水滴に変化します。
水滴はホースを伝って外に排出される一方、余分な水分が取り除かれた空気は室内に戻されるため、室内の湿度を効率的に下げることができます。
ただ、エアコンのドライ機能はあくまで空気中の水分を除去するためのもので、洗濯物から直接水分を吸い上げることはできません。そのため、エアコンのドライ機能を使うときは、扇風機やサーキュレーターで人工的に風を当てて、洗濯物の水分を空気中に飛ばす必要があります。扇風機やサーキュレーターの角度は、なるべく洗濯物の下から上に向けて風が当たるように調節し、さらに首振り機能を使って幅広い範囲に送風するのがポイントです。
洗濯物を部屋干しすると、室内の湿度が上昇し、じめじめした状態になります。多湿の環境下では洗濯物が乾きにくくなるほか、雑菌が繁殖して部屋干し臭やアレルギーの原因になったり、部屋のカビが発生したりする要因になります。秋に部屋干しするときは、洗濯物を干す場所を工夫したり、除湿剤や除湿器、エアコンのドライ機能などを活用したりして、しっかり湿気対策することをおすすめします。
洗濯物を部屋干しするかどうか迷ったときは、天気予報専門メディア「tenki.jp」の洗濯指数をチェックしましょう。「大変よく乾く」や「よく乾く」なら厚手のものも乾きやすいですが、「部屋干し推奨」や「やや乾く」の場合は部屋干しを検討するのがおすすめです。洗濯指数は毎日、10日先まで公開していますので、毎日のお洗濯計画にご活用ください。