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空にぽっかり浮かぶ雲。綿のようにふわふわしていて、雲の上に乗ってみたいと思っていた方もいらっしゃるかもしれません。普段何気なく眺めている雲ですが、そもそも、雲ってどうやってできるのでしょうか。
実は、雲は小さな水や氷の粒が集まってできています。雲が発生するために必要なのは「水蒸気」と「ちり」そして「温度が下がること」です。
私たちの周りの空気中には、たくさんの水蒸気が含まれています。この水蒸気は普段は目に見えませんが、例えば、やかんに水を入れて沸騰させると、出てきた水蒸気が、周りの空気に触れることで冷やされ、湯気としてあらわれたり、また、暑い日に冷たい水を注いだコップを置いておくと、周りに水滴がついたりします。これらは空気中に水蒸気が含まれているからできるのです。
空気中の含むことができる水蒸気の量は、温度によって決まります。30℃だと1000個まで水蒸気を含むことができるけど、5℃だと10個しか入らない!というようなイメージです。例えば、地面にある30℃の空気を空高くまで持ち上げると、上に行くほど気温は下がるので、5℃まで冷えるとします。そうすると、余った990個の水蒸気が水滴として現れ、それが「ちり」に集まって雲になる、というわけです。遠くから見ると、綿のように、白くふわふわしたものに見えますが、実際には水滴の集まりなのです。
また雲を作るうえで、もう一つ知っておきたいことは、「気圧が低くなる=空気の温度が低くなる」、「気圧が高くなる=空気の温度が高くなる」ということです。
山に登るときにポテトチップスを持っていくと、上に登るにつれて、袋がパンパンに膨らむ、という体験をしたことがあるかたもいらっしゃるかもしれません。私もかつてバスガイド時代に、富士山の5合目までバスで行くツアーがあり、その際、バスの中にポテトチップスの袋を置いておき、地上から5合目に行くまでに袋が膨らむ様子をお客様に見てもらったことがあります。
地上よりも山の頂上のほうが気温が低いのはご存知だと思いますが、気圧も標高が高くなるほど、低くなります。ポテトチップスの袋の場合、袋の中の圧力よりも、外から押さえつける圧力が小さくなるため、空気が膨張して袋が膨らむのです。そして、空気は膨張すると、膨らむことに自分のパワーを使ってしまうため、温度が下がります。
つまり、「空気は圧縮すると温度が上がり、膨張すると温度が下がる」ということになります。
それでは、実際に自分で雲を作ってみましょう!身近にあるものや100円ショップで手に入るものですので、保護者の方と相談して用意しましょう。
★用意するもの
・ペットボトル(炭酸飲料が入っていた固めのもの)
・炭酸キーパー(100円ショップで手に入ります)
・線香・ライター(必ず保護者の方も一緒に使用してください)
①水を少量入れて湿らせたペットボトルに、線香のけむりを入れる(5~10秒くらい)
②炭酸キーパーをつけて、30~50回ほど押して、空気をたくさん入れる。(ペットボトルが固くなるまで。でも入れすぎに注意!!)
③炭酸キーパーのフタをはずすと・・・
④ペットボトルの中が白くなりました!つまり、雲が発生!実験成功です。
では、どういう仕組みで、雲が発生したのか詳しく説明しましょう。
①線香のけむりは、雲ができるために必要な「ちり」になります。
②炭酸キーパーでペットボトルの中に空気をたくさん入れて、中の空気を圧縮します。空気を圧縮するということは、気圧が高くなるということです。気圧が高くなると、空気の温度が高くなります。
③フタをはずすことで、圧縮されていた空気が一気に膨らみ(膨張)、ペットボトル内の気圧が下がり、温度も下がります。
④ペットボトル内の水蒸気が冷やされて水の粒になり、ちり(線香のけむり)の周りに集まって雲として現れた、ということです。
いかがでしたか?これらを参考に、実際の実験結果を写真やイラストなどで記録して、雲のでき方の仕組みと合わせて、上手くまとめてみてくださいね。ぜひ、楽しみながら夏休みの自由研究を乗り切りましょう!
*火を取り扱うため、必ず保護者の方とご一緒に行うようにしてください。
【参考サイト】
NHK for School(雲を作る実験ー中学)
サントリー(水育キッズ やってみよう 水の自由研究)
ケニスおもしろ科学実験(ペットボトルで雲を作ろう)
HITACHI(天気のひみつ 雲ができるまで)
たんちょう先生のじっけん教室(雲をつくろう)