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汚れには「洗剤のいらないもの」と「洗剤が必要なもの」とがあります。
洗剤がいらないのは、ホコリ・チリ、砂・泥、髪の毛など。ただし、放置しておくとアブラ汚れと混じってベタベタになり、洗剤が必要に! フワフワしているうちに掃除機やワイパーで早めに取り除くほうが結果的にはラクなようです。
洗剤が必要な汚れとは、人の体から出る皮脂・アカ・汗・尿、食べ物のカス、油、水あか、カビ・雑菌など。湿っているものが多いですね。
じつは「掃除が嫌い」という人ほど、家の中に多種類の洗剤を持っているのだそうです。たしかに、キッチン用、おふろ用、トイレ用…と、さまざまなボトルを使い分けて補充するだけでもけっこうなストレス。キレイにしたい気持ちがあっても、ついおっくうになってしまいますよね。
ナチュラルお掃除は、「場所別」ではなく「汚れ別」で洗剤を選びます。なぜなら汚れは、「酸性・中性・アルカリ性」のいずれかだから! 酸とアルカリが混じりあい中和することで、汚れがゆるんでスルリと落ちるというわけですね。「どこを掃除するか」ではなく、「何の汚れを落とそうとしているか」を考えるのが、掃除がラクになるポイントのようです。
3つの汚れにはどんなものがあるのか、みてみましょう。
1.酸性の汚れ
油汚れ、食べ物のカス、人の体から出るものなど。室内の汚れの8〜9割は、酸性の汚れなのだそうです。アルカリ性洗剤で落とします。
2.アルカリ性の汚れ
水あか、石けんカス、アンモニア臭、タバコや魚のにおいなど。酸性洗剤で落とします。
3.中性の汚れ
カビ、雑菌など。除菌効果の高い洗剤で落とします。
さてさて、その3つの汚れを中和させる洗剤とは、どんなものを使ったらよいのでしょうか。
ナチュラルお掃除で使用される洗剤は、どれもたいていスーパーやドラッグストア、通販などでも気軽に買えるものばかりです。ここでは代表的な5つの洗剤をご紹介します。ただし、材質によっては使えないものもあるので注意しましょう。
◆重曹
弱アルカリ性です。ベーキングパウダーなどとして食用にも使われていますね。ナチュラルお掃除の主役級の洗剤で、家中の酸性汚れに使えます。1%を目安に溶かした重曹水をスプレーボトルかバケツに作って、拭き掃除。軽いアブラ汚れ、皮脂、手あか…あかちゃんのおもちゃや、素肌の触れる浴槽などにも安心です! 粉またはペースト状でクレンザーとしても使えますよ。
◆クエン酸
酸性です。石けんカスなどの汚れや、強い臭いのもとになっているアルカリ性の汚れを落とします。水に溶かしてスプレーボトルに入れ、浴室の鏡や蛇口についている白っぽい水アカ、イスや洗面器のザラザラした石けんカスなど、スプレーして拭きとればピカピカに! がんこな汚れにはクエン酸水パックをしましょう。また、トイレまわりのアンモニア臭、焼き魚やタバコの臭いにも効果的です。粉のまま大さじ1を食洗機に入れて(食器は入れず)運転すると、水アカ落としができますよ。
◆酸素系漂白剤
弱アルカリ性です。酸性汚れ、除菌、漂白に、60℃のお湯に溶かして使いましょう。五徳などギトギトのアブラ汚れのつけ置きや、ティーポットなどの茶しぶ落とし、ザルの汚れ落とし、あかちゃんの哺乳瓶の殺菌、水筒の除菌・漂白…と、あらゆるものがキレイになります。排水口や洗濯機も驚くほどスッキリ! 洗濯槽にお湯をためて粉のままカップ2杯を溶かしてまわすと、汚れが浮き上がってきます。
◆石けん
弱アルカリ性です。エコロジカルな界面活性剤で、アブラ汚れを泡で包んで落とします。固形、液体、粉末がありますが、お掃除に使いやすいのは液体タイプ。濡らした雑巾などに少し付けて水拭きしたり、汚れたものを丸洗いしたりします。衣類や食器はもちろん、エアコンのフィルターや網戸、ガスレンジの五徳や受け皿、換気扇の部品など、水洗いできるものならたいていOK! 石けん成分が汚れをキャッチしやすいように、しっかり泡立てて使いましょう。こびりついた汚れには、重曹やクエン酸や漂白剤などと混ぜ合わせてペーストにするのもおすすめです。
◆アルコール
中性です。強い消毒・殺菌力をもち、人体にも安全。しつこいアブラ汚れを溶かすパワーが強く、しかも速乾性があるので水分が使えない場所にも使えるのがうれしいですね! 冷蔵庫の中、電化製品、畳など、液をスプレーした布かペーパーで拭きとります。また、バスルームや洗面所の壁、押し入れやクローゼットの中などカビが生えやすい場所には、お掃除の仕上げに直接スプレー。エッセンシャルオイルを混ぜると、香りも楽しめて除菌効果も高まりますよ。引火性があるので、火のそばで使用しないようにしましょう。
下記リンクでは、それぞれの洗剤の詳しい使いかたやお掃除のヒントなども紹介されています。興味のある方はご覧になってみてくださいね。
※ナチュラル掃除の洗剤や使いかたのヒントはこちら
ナチュラル洗剤は、すすぎがラクなので時短にもつながりますね。重曹水スプレーを片手に、タイマーをかけて家中の酸性汚れをつぎつぎに拭いてまわるのも楽しくておすすめですよ。
体と心の健康に直結する水まわりは、新年の願いをこめてとくにキレイにしておきたいところ。お掃除のあとは、ピカピカのバスルームでゆったりと師走の疲れを癒してみては?
<参考>
『ナチュラルクリーニングとは?』(シャボン玉石けん)
『ナチュラルおそうじ大全』本橋ひろえ(主婦の友社)
『かんたんナチュラルおそうじ術』日本ハウスクリーニング協会 監修(成美堂出版)