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まずは、なぜ私たちが冬の朝に気持ちよく起きられないのかについて説明します。私たちが冬の朝に布団から出られないのには2つの理由があります。
・体温が上がらずに副交感神経優位になっている
・外が暗いため睡眠ホルモンのメラトニンの分泌が止まらない
私たちの行動や感情の多くは、自律神経を構成する交感神経と副交感神経のバランスによって決まります。寝ているときには副交感神経優位の状態にあり、起床するには交感神経優位の状態に持っていかなくてはいけませんが、冬の布団は暖かく気持ちいいので、いつまでもリラックス状態すなわち副交感神経優位の状態が続くため「起きるモード」になりません。
また、私たちの体は太陽の光を浴びることで睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が止まり、脳が活性化するようにできています。ところが冬の朝はまだ外が暗く、太陽の光を浴びることができないため起きることができません。さらに太陽光不足で体内時計が乱れてしまい、その結果として寝付きが悪くなり、睡眠の質が低下するため起きられなくなります。
これらは人間としての本能の部分ですので、冬の朝に起きられないというのは仕方のないことです。起きられない自分を責める必要はありません。だからといって、仕事に遅刻していいというわけではありませんので、どうすればこの本能を抑えられるのかを解説していきます。
寒い冬の朝でも、すっきりと目覚めて布団から抜け出すにはどうすればいいのか。その答えは睡眠環境の改善にあります。質の高い睡眠を心がけることで、冬であっても気持ちよく起きることができます。そのためにまず大事なのが室内の温度と湿度です。
室温:22~23℃
湿度:50~60%
室温は22~23℃を維持しましょう。あまりにも寒すぎたり、暖房を効かせすぎたりすると眠りの質が下がります。エアコンやオイルヒーターを使って、22~23℃で安定させましょう。ここで気をつけたいのが、エアコンを使うケースです。エアコンを使うと湿度が下がってしまいます。
冬場にエアコンを使いながら部屋の湿度を50~60%に維持するのは意外と大変で、部屋によっては加湿器を使う必要があります。他にも洗濯物を部屋干ししたり、寝る前にお湯を沸かしたりするのもいいでしょう。葉の大きな観葉植物を置くことで、湿度を保ちやすくなります。
また、布団を何枚も重ねすぎないようにしてください。あまりに重いと圧力によって睡眠の質が下がります。できれば掛け布団と毛布の2枚が理想です。このとき掛け布団が羽毛なら毛布は外側に、掛け布団が木綿なら毛布は内側に敷きましょう。そうすることで、熱が逃げるのを防げます。
【参考】
良い睡眠の条件|日本睡眠科学研究所
睡眠環境を整えたら、あとは起きやすい状況を作り出すだけです。エアコンを付けっぱなしにするのが苦手という人は、途中で切れるようにしても構いませんが、起床時間の30分前には稼働するようにタイマーをセットしましょう。室温が上がれば体温も上がり、交感神経が活発になって目覚めが良くなります。
さらに、朝起きてすぐにカーテンを開けて太陽の光を浴びるのも有効ですが、残念ながら冬の朝はカーテンを開けても暗いままですよね。目覚ましが鳴ったら、まずは照明を付けるようにしましょう。最近は指定時間に点灯してくれる照明器具があるので、そちらの導入もおすすめです。
また、いきなり気合いで動き出そうとするのではなく、布団の中でゆっくりとストレッチをしましょう。手足をバタバタさせるだけでもOKです。体を動かしていくことで、自然と交感神経優位になり起きやすくなります。
・起床時の室温を上げておく
・起きたらすぐに照明をつける(できればタイマー)
・体を動かしてから布団から出る
良い睡眠環境にこの3点を組み合わせることで、布団から出たくない自分とお別れできるはずです。もちろん十分な睡眠時間も確保してくださいね。いくら環境を整えても睡眠時間が不足していたのでは起きられません。夜更かしをせずに早寝を心がけましょう。