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モータースポーツの開催日が記念日になるというのは日本人の感覚からすると分かりづらいかもしれませんが、ヨーロッパではモータースポーツはとても人気の高い競技のひとつで、その中でもル・マン24時間レースは特別な存在です。
そこで、今回はル・マンの日にちなんで、ル・マン24時間レースについての歴史や小ネタをいくつかご紹介します。
フランスの西部に位置するル・マン。この街で自動車の24時間レースが初めて開催されたのは1923年5月26日です。1923年というと日本では大正12年で、関東大震災が発生した年。そう考えるとその歴史の長さを感じますよね。
ちなみにあの有名なハリウッドサインが、ハリウッドヒルズに設置されたのもこの年です。
日本ではまだ国産の自動車産業が産声をあげたばかりの時代に、ヨーロッパではすでにスピードと耐久性への挑戦が始まっていたわけです。その後、マツダがル・マン24時間レースで初優勝をしたのが1991年のことなので、70年近い年月を経て日本車が世界に追いついたことになります。
第1回大会は雨の中での開催となり、出走したのは33台(出走予定35台)、30台が完走しています。優勝したシュナール&ワルケール(A.ラガシュ/R.レオナール組)は、24時間で2209.536kmを走破したという記録が残っています。
2019年に優勝したトヨタが5246.01km(13.626km×385周)と考えると、約100年の歴史の中で自動車が驚くべき進化を遂げていることがわかります。この進化に影響を与えたのが、ル・マン24時間レースなどのモータースポーツであることは言うまでもありません。
ル・マン24時間レースはレースに勝つことだけが目的ではなく、最新技術を試す場でもあります。その繰り返しが自動車の進化へと繋がっています。
【参考】
ル・マン24時間の歴史
日本でも1980年代後半から1990年代前半にかけてF1ブームがありましたが、ヨーロッパのモータースポーツはブームではなく文化として根付いています。
ル・マン24時間レースではピットやコントロールタワーが必要になるため、サーキットもコースの一部として使われますが、大半が一般道で街そのものがコースになります。自分の家の前をレースカーが走ることもあるわけです。さらにル・マンには自動車工場が多く、生活と自動車が密接に結びついているのです。
このような背景もあり、ル・マン24時間レースには多くの市民がボランティアとしても参加し、ヨーロッパ中から熱狂的なファンが集まります。レースまでの1週間は「ル・マン24時間レースウィーク」と呼ばれ、昼夜を問わず街全体がお祭りのように盛り上がります。
レースを運営しているACO(フランス西部自動車クラブ)は会社組織ではなく、モータースポーツを通じた交流を行うためのクラブ組織で、ル・マン24時間レースはACOを中心とした地元の人たちが作り上げたイベントなのです。そう思うと少し興味が湧いてきますよね。
ただ、今年は世界中で新型コロナウイルスの感染が広まっているので、開催有無が気になっている人もいるかと思います。現状でどのような方針になっているのかをご紹介しておきます。
【参考】
ル・マンとは? ル・マンの歴史を支えるもの
2020年は6月13~14日に開催される予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大により、9月19~20日に延期されることが決まっています。フランス国内の状況、全世界での状況によっては開催されるかどうかはまだわかりませんが、開催されれば1968年以来の秋開催になります。
無観客での開催も検討されており、日本から観戦に行くためのハードルがとても高い状態ですので、今年はテレビ観戦するのがおすすめです。
ル・マン24時間レースは年間8戦あるFIA世界耐久選手権のうちの1戦ですので、FIA世界耐久選手権を放送しているJ SPORTSでテレビ観戦できます。J SPORTSは衛星放送やケーブルテレビ、インターネットで視聴できます。
ただし、これらもまだ確定ではありません。9月19~20日の開催が決定したら、1週間前くらいに放送予定をチェックしておきましょう。 YAHOO!テレビなどでも確認できますよ。
2018年から2019年までトヨタが連覇しており、2020年は3連覇がかかっています。「ル・マンには魔物が棲んでいる」と言われており、手に汗握る展開が期待できます。レースまでにしっかりと情報収集をして、9月19日を楽しみに待つとしましょう。
【参考】
ル・マン24時間レース公式ニュース
J SPORTS