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ピーマンは、辛みのないとうがらしを改良して誕生しました。ししとうの仲間で、日本では明治時代に栽培されるようになりましたが、一般に普及したのは戦後になってからです。
私たちがいつも食べている緑色のピーマン以外にも、最近は、赤やオレンジのカラフルなピーマンを見かけることがあります。どちらも分類上はピーマンですが、一般的な緑色のピーマンを「ピーマン」、それ以外のカラフルなピーマンを「カラーピーマン」と分類することがあります。
ところで、一般的な緑色のピーマンは、未熟なうちに収穫するので緑色をしています。そのまま採らずにいると赤く色づきます。これが赤ピーマンです。赤いからといって赤ピーマンという品種があるわけではなく、いつもの緑色のピーマンの完熟形です。完熟した赤いピーマンは未熟な緑のピーマンに比べて甘味が増し、独特な青臭さがぬけます。
カラーピーマンとよばれるものは、いくつかの種類に分けることができます。
・パプリカ
赤、黄色、オレンジ色と色鮮やか。大きくて肉厚。青臭さがなく、甘みがありジューシー。生でもバリバリ食べられる。
・ジャンボピーマン
大きくて肉厚ですが、パプリカよりもやや小ぶり。パプリカとして扱われることもある。
・小型/中型のカラーピーマン
一般的なピーマンくらいの大きさ。
・くさび型のピーマン
ししとうのような形で細長い。フルーティーなパレルモ、クレセントなどの品種がある。
・トマトピーマン
トマトのような形のピーマン。甘くて肉厚。フルーツピーマン、フルーツパプリカなどともよばれ、セニョリータなどの品種がある。
このように、通称カラーピーマンと分類されるものにはいくつかの種類がありますが、中でも、大きなベル型、果肉が7~10mmと厚く、重さは100g以上、赤・黄色・オレンジ色と色鮮やかなものをパプリカとよぶことが多いようです。
家庭菜園でパプリカを育てたことがある方ならご存じだと思いますが、パプリカは赤ピーマンのように、カラフルな色になる前は緑色をしています。これは未熟な状態で、そのまま採らないでおくと、徐々に色がついてきます。
緑色の時はまるで大きなピーマンにも見えるので、ピーマンの苗の近くにパプリカを植えておくと、「うわぁ、ピーマンが大きくなっている!!」と思われて、ほかの家族に収穫されてしまった…、という経験がある方もいるのではないでしょうか。
かくいう筆者も、パプリカは何回も植えていますが、いつも緑色のうちに、家族に「大きなピーマン」と思われて採られてしまい、きれいに色がついたパプリカを収穫できたことがありません。一度でいいから、自宅で、採れたての新鮮なパプリカを味わってみたいものです。
最近は「パプリカ」というワードで検索すると、野菜のパプリカよりも、歌やダンスのほうが上位にあがっています。去年はいろいろなシーンで、パプリカダンスにお世話になった方も多いのではないでしょうか。
6月になると日差しもいっそう強くなり、庭のパプリカも色づきはじめる頃でしょうか。今年こそは自宅の庭で、パプリカが色鮮やかになるのを見たいと思います。
参考
東京多摩青果株式会社「ピーマンとカラーピーマンとパプリカと・・」
カゴメ「見た目がピーマンと似ているパプリカ、味や栄養価はどう違うの?」
『日本の食材帖』主婦と生活社
『からだにおいしい野菜の便利帳』
『もっとからだにおいしい野菜の便利帳』