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最近ではサステナビリティという言葉をよく耳にするようになり、社会全体で環境問題への意識が高まっていますが、アースデーはその原点とも呼べる記念日です。そこで今回は、アースデーの歴史や目的など、私たちが未来のために何ができるのかをご紹介していきます。
第1回のアースデーは1970年4月22日、2000万人ものアメリカ人が参加したイベントとして始まりました。
アメリカ合衆国上院議員であったゲイロード・ネルソン氏が政治家が環境問題に取り組むきっかけとしてアースデーを宣言し、全米学生自治会長のデニス・ヘイズ氏がアメリカ合衆国全土に呼びかけを行い、4月22日に全米各地でイベントが開催されました。
今のようにインターネットで簡単に情報伝達できる時代ではありませんでしたが、学生運動や市民運動が盛んに行われており、さらに1960年代に環境問題が話題になることも増えていたという背景もあり、アメリカ合衆国の総人口の10%が参加する大きなイベントとなりました。
イベントの内容は様々で、ミュージシャンは地球環境をテーマにした歌を作り、学校では環境問題に関する授業が行われるなど、それぞれの立場でそれぞれができることを取り組みました。
自分たちができることをするという考え方は現在でも受け継がれており、世界中でイベントが開催されていますが、決まった規則があるわけでもなく、それらを取りまとめる代表も存在しません(イベントの連携はあります)。自発的に地域ごとにイベントを開催し、地球のことを考える1日として定着しています。
【参考】
アーバーデーとアースデー
EARTH DAY 2020 FAQ
Happy Earth Day OSAKA の想い
アースデーのイベントが日本で始まったのは、第1回のアースデーが開催されてから20年後、1990年4月22日のことです。
それまではアメリカ合衆国の記念日として祝われてきましたが、20周年となる1990年は世界中の人々に呼びかけが行われ、それに応じる形で日本では200ヵ所、1000以上のグループがイベントを開催しました。その中でも大きなイベントとなったのが、3万人が参加した東京・夢の島のフェスティバルで、参加された方もいるのではないでしょうか。
この他にも日本各地でコンサートやゴミ拾い活動、フリーマーケットなどが開催されました。この活動は現在も続いていて、2020年も全国各地で開催される予定でしたが、残念ながら今年は中止やオンラインイベントへの変更となりました。
ちなみに銀座の歩行者天国は、アースデーがきっかけで始まった取り組みのひとつです。高度経済成長期にあった日本では自動車による大気汚染や交通渋滞が社会問題となっており、1970年の第1回アースデーを受けて、環境問題への配慮のひとつとしてスタートしました。
銀座の歩行者天国が始まってから50年経過し、東京の上空には青空が広がっています。スカイツリーからは遠くにある富士山を見ることもできます。こんな素晴らしい環境は何もせずに手にしたものではなく、人々の環境への意識が高まった結果であることを覚えておきましょう。
【参考】
アースデイの歴史
銀座公式ウェブサイトQ&A
今年は、全国各地でのアースデーイベントが中止になりました。でも、そもそもアースデーは、それぞれが地球環境について考え、それぞれが地球に対してできることを行う1日です。私たち個人ができることはいくつもあるはずです。
いくつか例を挙げてみます。
・無駄な電気やガスの使用をなくし省エネを心がける
・ガソリンを使わない
・環境に配慮した商品を使う
・ゴミを減らす
・食べ物を無駄にしない
・エコバッグを使う
すでにお気づきの人もいるかもしれませんが、これらはアースデーでなくてもできることであり、普段から心がけたいことばかりです。私たちは365日いつでも地球のために行動でき、その積み重ねが地球環境の改善に繋がります。
新型コロナウイルスによって人々が活動を自粛した結果、アメリカ合衆国北東部の大気汚染(二酸化窒素濃度)が大幅に減少したとNASAが報告しています。私たちの行動によって、地球の環境はもっと良くなることが示されました。
次の世代に美しい地球を受け継ぐために、私たちにできることがあります。アースデーはそれを再認識するための1日です。小さなことでもかまいません。地球に優しい暮らしを心がけて、できることをコツコツ積み重ねていきましょう。
【参考】
NASA