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カーク・ダグラスさんと聞いて筆者が真っ先に頭に浮かぶのは、息子の二世俳優である、マイケル・ダグラス。父親譲りの容姿、そのスター性、世界屈指の映画スター親子ではないでしょうか。
またマイケル・ダグラスの妻はイギリス出身のハリウッド女優、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ。舞台出身の演技力と華やかな容姿で押しも押されぬ人気女優です。
大物二世俳優と人気女優の夫婦はいく先々にパパラッチが。ゴージャスでファッショナブルな彼女のスタイルはファッション雑誌の常連。現在は、このスター夫婦の子ども達にも注目が集まっています。
このザ・ハリウッドファミリーのトップに君臨し続けてきたのが、映画の中でも数々の英雄を演じてきたカーク・ダグラスさんでした。代表作は自ら、制作総指揮・主演をつとめた「スパルタカス」(1960年、スタンリー・キューブリック監督)。この作品で彼は、1940年代、悪名高いハリウッドの「赤狩り」で投獄された脚本家、ダルトン・トランボを起用、本名でクレジット(赤狩りで排斥された映画関係者達は長らく表立って復帰できず本名を使わずひっそりと仕事をしていたそう)し、彼の復活を手助けしたそうです。実生活でも英雄だったのかもしれませんね。
第92回、米アカデミー賞授賞式が2月10日(日本時間)に開催されました。今年はなんといっても韓国映画「パラサイト 半地下の家族」旋風が席巻。国際長編映画賞(旧・外国語映画賞)・脚本賞・監督賞、そして作品賞の4冠に輝きました。
韓国映画初、アジア映画初などなど記録尽くしの快挙で、アカデミー賞の新しい歴史がつくられた、と言っても過言ではありません。世界中の映画作家達が、英語ではなくても、またハリウッド向けに作らなくても、作品そのものが面白ければ世界に通用する!という希望を受け取ったのではないでしょうか。
毎回アカデミー賞授賞式では、その年(前年から開催日まで)に亡くなったハリウッド映画に貢献した映画関係者を偲び、彼らの功績を讃えるプログラムがあります。今年も授賞式舞台のスクリーンに亡くなった人物の在りし日の姿が映しだされました(日本の京マチ子さんも)。
そして今回、最後に映しだされたのがカーク・ダグラスさんでした。1946年にスクリーンデビューした彼の映画人生はそのままハリウッド映画の歴史と重なっていたかのよう。そんな彼が亡くなって数日後に開催されたアカデミー賞授賞式で、アジアの映画が初めて作品賞を受賞...。
映画界の新たな幕開けのように感じたのは筆者だけでしょうか。人生をかけて映画を愛した彼も、きっとこの新しい幕開けを賞賛したのではないでしょうか。
カーク・ダグラスさんは長年の映画界への功績により1996年、アカデミー名誉賞を受賞しています。